王妃の館での昔物語の語りから、17世紀のフランス・ヴェルサイユ、パリへと話は展開し、17世紀と現在の2組の間を目まぐるしく小説は展開します。思い切り暗い夫妻。バブルの成り上がりでケバイそのもののカップル。同室にされてしまった元警察官のいかつい男とおかまの男。38歳の恋に破れたエリート・ハイミス。黒ずくめの服を着る謎の夫妻。小説家と追いかける編集者たち。そして光の組に参加する小説家北白川氏が旅行中に執筆する小説が「ヴェルサイユの百合」で天啓により改題し、「王妃の館」にするとのこと。下巻になって冗談が過ぎる場面が多く、最後は正にストーリーがはちゃめちゃになってしまうのが残念です。上巻の緊張感がやや緩んでしまったように思います。一方、実は小説家・北白川氏は浅田氏のパロディーだったのかと考えると楽しい話です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
SF・ファンタジー小説
- 感想投稿日 : 2013年8月24日
- 読了日 : 2004年10月14日
- 本棚登録日 : 2013年8月24日
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