龍時 02-03

著者 :
  • 文藝春秋 (2003年9月26日発売)
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本棚登録 : 135
感想 : 17
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第一部は高校生でスペインのユース・サテライトチームへ留学した主人公の活躍を描いていました。第二部では日韓W杯後のスペイン。リーガ・エスパニョーラの優勝争いに絡んだベティスの主力選手に成長した龍時が、セビリアのライバルチームに所属する韓国のパクが親友になるが、ダービーマッチでの対決。ピッチの上ではライバル心を剥き出しにして対決する。その友情と闘争心に日韓の歴史・国民性の違いを滲ませて上手く描いています。ベティスに所属するリュウジとレアル・マドリッドのロベカルの対決シーンなど、凄い迫力です。そして最後はベティスの日本遠征と日本代表との親善試合にリュウジはベティスの先発で登場し、ゴールを目指してフルエンジンで走り回る。そして・・・満員の横浜国際が興奮に包まれる。架空の主人公が現実のリーグなどで活躍する小説は昔、「巨人の星」などで読んだ楽しみと同じで懐かしく思い出しました。しかし、その後も柳沢、藤田などが欧州で活躍しているわけですから、リュウジの活躍は決して夢物語ではない、と確信できそうです。ポルトガルから来てフラメンコを学ぶマリアとの恋物語りはもう少し何とかうまく描けないか?とやや物足りない感じでしたが、サッカー好きには堪えられないほど楽しい本です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: スポーツ(サッカー)
感想投稿日 : 2013年8月24日
読了日 : 2003年11月11日
本棚登録日 : 2013年8月24日

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