疫病の精神史 ――ユダヤ・キリスト教の穢れと救い (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2021年6月10日発売)
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本棚登録 : 69
感想 : 6
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 聖書の疫病に関する記事は考えてれ見ればモーセの時代の記述から始まり、黙示録に至るまで終末に起こる出来事として捉えられてきた。レビ記もヨブ記も、新約の福音書も感染症が大きな役割を果たしている。著者はイエスが手を洗っていなかった、そして5000人のパンと魚の養いの場面での手を洗っていなかったことを強調する。これはちょっと驚き。イエスは疫病から癒してくださった方でもあった!そして西欧ではペスト、天然痘、これらなどが大流行し、たびたび危機に遭遇し、宗教的にも揺さぶられてきた。そんな西欧のローマカトリック諸国から2020年に新型コロナが大流行したが、宗教的に「天罰」などの言葉は語られなくなったのは、大きな時代の変化というべきだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 宗教学
感想投稿日 : 2021年8月30日
読了日 : 2021年8月29日
本棚登録日 : 2021年8月27日

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