著者は団塊の世代。1966年に都立西高を卒業し岩波に勤務。7人の仲間の38年ぶりの旅行で締めくくられます。当時の西高の教師などが紹介されていますが、私の母校も同様の雰囲気がありました。もしかすると都立(県立)エリート主義の名残りかも知れませんが、確かに旧制中学の教養主義と戦後の民主主義の担い手のミックスの雰囲気があったのだろうと思います。私よりも4年先輩ということになりますが、60年代の輝かしいそして、貧しい思い出の日々が懐かしいですね。空き地での草野球、破れた接ぎあてのズボン・・・。今と違い著者と私の4年の差はあまり変化がなかったのだろうと、と思います。やはり時間がゆっくり流れていたのでしょうか。いかにもモノクロ時代の古い写真が似合いそうな感覚があります。どうして60年代にあれだけのエネルギーが発散できたのか、今の元気がない時代には考えられない青春を感じます。そしてそれは決して日本だけではなかった。60年代の反戦運動、パリの学生運動、中国の文化大革命、カストロとゲバラ。そしてカダフィの登場。69年10月21日の国際反戦デーの盛り上がりも懐かしいです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2013年8月24日
- 読了日 : 2004年7月6日
- 本棚登録日 : 2013年8月24日
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