ダウン症の妹「明子」と学校に行けない「私」。両親が粘って粘って、やっと普通級に入学した明子を、全く理解しようとせず無視し続ける担任。そうして障害者として問題児扱いされる明子の「姉ちゃん」として常に見られる私。ママからはうまく頼りにされてしまう私。障害児とその兄弟・家族の日常の行きづらさが淡々と「私」の目線で描かれている。後半では、明子の担任が変わり、劇的にクラスの雰囲気が一変して、明子もクラスの一員として認められていく。「私」も不登校の子供の塾を始めた「松田さん」と出会い、「私は私のために生きる。」決意をする。
重いテーマだが、明るく前向きな「ママ」といつも冷静で温かい「パパ」、そして素直で一生懸命な「明子」が、物語を暗くすることなく、さわやかな印象に仕上げている。また、そんな尊敬すべき「ママ」と「パパ」だけど、時には大喧嘩するシーンが、逆に好印象。児童書だが、大人にも読んでほしい一冊。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
児童書
- 感想投稿日 : 2012年4月19日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年4月19日
みんなの感想をみる