東京に初めての地下鉄をもたらした早川徳次と、事業に関わった男たちの物語。
大隈重信や渋沢栄一を説き伏せての資金集めから、実際の工事まで、数々のトラブルを乗り越えて地下鉄ができるさまは、まさに宣伝文句通り、昭和2年のプロジェクトX。
シールド工法などできないから、もちろん手で穴を掘り、日の当たらない地下で作業をする。
完成までずっと道路を通行止めにはできないから、路面覆工で地上は元通りにする。
膨大な工事排水や土砂の搬出方法も、考えなければならない。
本当に難工事で、その大変さを改めて感じる。
苦労、創意工夫。
彼らの頑張りは、読みごたえがあった。
共栄共存ではなく、足の引っ張り合いになる民間。
そして民間の努力を、横取りする官。
これが事実だったのだろうが、最後のほうは醜い話になり、やや残念。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
古典/時代小説/歴史小説
- 感想投稿日 : 2022年6月4日
- 読了日 : 2022年6月4日
- 本棚登録日 : 2022年6月4日
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