幸福の増税論――財政はだれのために (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2018年11月20日発売)
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感想 : 28
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数多くの社会学や経済学の本を読む中でも、説得力抜群の書である。
実もふたもなくバッサリと切るような本書の言説は快い。現在の日本の姿を否応なくクッキリと見せつけてくれる書と高く評価したい。
「自分は中の下と信じたい人」というカテゴリー認定は実にリアルである。なるほどそう分析すると格差拡大の中でも安倍政権の支持率が下がらない理由が理解できる。
初めて説得力のある日本の処方箋を見たようにも思えたが、果たして実現性はどうだろうか。
終盤のシナリオは詰めが甘い気がするが、大きな方向性には賛同できる。「戦後の勤労国家は行き詰まった」との認識は誰も否定できないものと思われるからだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年3月11日
読了日 : 2019年3月11日
本棚登録日 : 2019年3月11日

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