日本の幕末の激動時代を、ヨーロッパなどの西洋諸国はこう見ていたのかと、ワクワクドキドキしながら本書を読んだ。
「薩英戦争」「下関遠征」。西洋諸国連合艦隊によるこの二つの闘いは、歴史の転換点の一つであると思うが、この「戦争」に至るまでの諸国の政治的な動きを詳細に追いかけることは、この時代の日本を知ることでもあると思えた。
日本における各国「公使」と本国の「外相」との間でかわされる「公信」「半公信」「訓令」等の記録を駆使しての、それぞれの「国家意思」と「思惑」のせめぎあいは、歴史の結果を知った現在の目からみても、実に興味深い。
それにしても、「公信」と「訓令」のやり取りに往復で4ヶ月もかかる時代だとは。現在では想像もつかない世界だ。
派遣された「大使」や「公使」に大幅な裁量権がなければとても物事は進められなかっただろう。まさに「英雄の時代」であり、「古きよき時代」だったと思われた。
本書は、歴史の結果のみならず、「歴史とはこのような動きをするものだ」と教えてくれるすばらしい本であると思う。
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- 感想投稿日 : 2013年12月11日
- 読了日 : 2013年12月11日
- 本棚登録日 : 2013年12月11日
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