藤子不二雄は、皆知っている有名な漫画家だが、その膨大な作品群のごく一部しか、私は知っていないことが本書でわかった。半世紀以上の漫画家生活を生き抜くために、藤子不二雄は、さまざまな新しいチャレンジを繰り返してきたことが、本書では明らかになっている。まさに「変わらずに生き抜くためには、変わらざるをえない」ということだろう。私たちは、多くの場合、その最後の結果しか知ることは無いために「才能だろ」の一言で済ますことが多いが、藤子不二雄のキャラクターの違う二人があの戦後から現在までの長い時代を、何を追及して生きぬいてきたのかを、その多くの作品群が証明している事を体系的に本書で論考している。藤子不二雄のヒット作品を多く記憶している私としては、それらの作品群の意味をもう一度考え直す機会を本書は与えてくれた。
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- 感想投稿日 : 2011年5月21日
- 読了日 : 2011年5月21日
- 本棚登録日 : 2011年5月20日
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