少々お節介で押しの強い「べんてんちゃん」のナビゲートもあって、川越のまちや人たちにも馴染み、仙人・遠野守人は、古民家で古地図の展示館の管理人をしながら、近代文学の大学院生を続けていました。
(遠野くんでは物語を回すのは無理と言っていた他のブクログレビュアーさんの意見にも笑った。)
「浮草の灯火」はあの、水上さんの『雲日記」!と古書店浮草の後日譚。知りたかった事ばかりで、ちょっと好奇心に駆られました。
「切り紙」は笠原紙店繋がりのお話でした。2冊目で早くもここまでコラボしてくるとは、予想外の嬉しさで。切り紙の伝統が、また多くの人々をつないでいき、「二軒家」の物語にもつながっていきます。
遠野くんの過去や、浮草を継ごうか迷う安西さんのこともわかって来て、それぞれが将来に不安を抱く様子も。
家が語りかけることの不思議も少しずつ書かれているけれど、私にはまだ物語とどう密接に関係してくるのか、よくわからないままです。ただ、作者は語らせたかったのかもしれない。登場人物の一人として、ただそこにある、歴史を刻んだモノたちに。早く続編が読みたいです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ほしおさなえ
- 感想投稿日 : 2020年11月19日
- 読了日 : 2020年11月19日
- 本棚登録日 : 2020年11月19日
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