冒頭───
十月に入って、めっきり夜が長くなった。夏の間は六時や七時でも明るかったのに、今では五時に暗くなる。夕焼けが空にとけると一日がもう終わってしまった気分になるから、久保由佳は週三日の塾へ行くのもゆううつだった。
前期・後期と二冊に分かれていたのに、迂闊にも順番予約しなかったせいで、後期のほうが先に借りられることになってしまった。
恐る恐る読みだしたのだが、中学一年生24人のクラス仲間を前期・後期それぞれ12人ずつの目線から語る物語だったので、時系列的には後ろの方からになったものの、特に問題はなかった。
中学生になったばかりの24人には24人なりの色々な問題や葛藤がある。
友情、恋愛、学校や家庭の問題など、中学一年生には悩みだらけだ。
その感情を見事に書き分けている。
この“後期”では、「田町」章で号泣する藤田先生の姿に心を打たれた。
話は変わるが、現在の中学生は一年生ぐらいでもうSEXを現実のものとして意識しているのだろうか?
「アリスの処女を守る」などという発言が出てくるのを読むと隔世の感がする。
僕等の時代は、まさか中一で実際にSEX行為を現実として受け止めるなんてありえなかったよなあ------。
そもそも、中一の女子と高校生が付き合うなんて想像しなかったよ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
森 絵都
- 感想投稿日 : 2014年7月18日
- 読了日 : 2014年7月8日
- 本棚登録日 : 2014年7月7日
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