宣告 下 (新潮文庫 か 7-16)

著者 :
  • 新潮社 (2003年3月24日発売)
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本棚登録 : 193
感想 : 14
5


構成に雑多な部分はあるものの、ページ数以上にブ厚く凄みのある作品だった。
現行死刑制度に対する読者の考えが浮き彫りにされる構造になっていて、“殺されても仕方の無い犯罪者”という思いが根底にある自分には、確定者達に最後まで同情はし得なかった。
ただ、下巻での確定者楠本による女子学生に宛てた100pに及ぶ文通に、作者の深い意図を感じ、
判決後確定者は依然人間であるという事に気付かされる。
医師の視点による最後の畳みもこれ以上無いものだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年9月29日
読了日 : 2023年9月29日
本棚登録日 : 2022年9月24日

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