幽霊男 金田一耕助ファイル10 (角川文庫 よ 5-10 金田一耕助ファイル 10)

著者 :
  • KADOKAWA (1974年5月23日発売)
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感想 : 46
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モデルを仲介する共栄美術倶楽部へ現れた怪人、その名も佐川幽霊男。彼の依頼を受けたモデルが、ホテルの浴槽で殺されて発見された!猟奇マニアの巣である倶楽部に巻き起こる連続殺人に金田一耕助が挑む!

幽霊男が巻き起こす残虐な劇場型犯罪!金田一だけではなく、読者ですら二転三転と振り回されて読む手が止まらない。金田一が激昂するシーンはこちらも思わず力が入ってしまう。幽霊のように手が届かないのが歯痒い。ただ、それほど犯人は狡猾であり、状況が錯綜していた事件だった。

今回活躍するのが最初の被害者の弟・浩吉!怪人に勇気を持って立ち向かう小林少年ポジション!絡み合う愛憎の沼で、唯一の光だった。その勇気を忘れないでほしいと願う。そして、犯人。シリーズで最も卑劣で最悪なやつだった。リュークのデスノートに名前を書かれて死んでほしいレベル。

事件がどんどん展開してはひっくり返っていくので想像以上に楽しめた。でも、あまりに殺人を阻止できないのが読んでいてしんどい(☆3と迷う)。金田一よ、もうちょっと何とかしてくれ(笑) 金田一の痛烈な皮肉と、等々力警部の一刀両断は救いか。警部と同感すぎる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年6月6日
読了日 : 2022年6月6日
本棚登録日 : 2022年6月6日

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