13巻というナンバリングではあるが、物語自体は12巻で完結。この巻はいわゆるファンブックになっている。本編が本編なので、ファンブックの情報量もすんごいことに!
本編では描かれなかったあの人の名前を含めたキャラ紹介。死神まで網羅!
大場つぐみ先生、小畑健先生の個人インタビューに対談。
作中の伏線や疑問についての解説。サブタイトルの意味について。
物語をストーリーとノートの両面から流れを読み解く事件簿。
4コママンガとプロトタイプ読切掲載。
特にインタビューと対談は貴重で面白かった。緻密なストーリー展開をどこまで考えているんだろうと思っていたら、意外と月視点で悩んで考えていたり、L生存ルートももしかしたらあったなど、流れから生み出されているんだなと。解決法などもいくつも考えてあって、それを矛盾なく構成していく大場つぐみ先生が登場人物の誰よりも頭がいいのでは?とツッコまざるを得ない。
また、ドラマ要素や善悪論を極力削ぎ落として、スピーディーさとエンタメを追求したという話も納得。実際には事件の中で自然とドラマが生まれていったし、サスペンスとしての緊張感を失わないちょうどよさがあったように感じる。これでキャラを深掘りしていったら、倍の巻数はかかっちゃいそうだもんね。善悪論についても、あくまでフラットな視点で描かれていて、ただ死という現実だけは揺るがないという柱があるからこそ、ラストの衝撃がリアリティとなって爪痕を残してくれた気がする。
プロトタイプは読切ということもあり、消しゴムでの復活という仕掛けが効いてて面白かった。消した人間が消すことで蘇るというのが皮肉だよね。ちゃんと一捻りしたオチも用意されていてよかった。
- 感想投稿日 : 2022年5月3日
- 読了日 : 2022年5月3日
- 本棚登録日 : 2022年5月3日
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