長らく平和が続いた島国「皇国」。その最北端・北領に突如、超大国「帝国」の艦隊が押し寄せた。敗走する皇国軍の中で、新城直衛中尉は最悪の状況下で部隊を生き残らせる術を探すが──。
『日本三國』を読んでいて、架空戦記といえば!と久し振りに再読した。佐藤大輔先生の原作小説をコミカライズした作品。現在では絶版(電子書籍化もない)となり入手困難。それでもどこかで見つけたらぜひ読んでほしい傑作漫画に仕上がっている。小説も漫画も未完なので要注意。
人と龍の間に結ばれた「大協約(グラン・コード)」が秩序の根幹を成す世界が舞台。大陸の国々を併呑して超大国となっている「帝国」は、東方の「皇国」を脅威にならないと手を出さず、平和な時代が続いていた。だが、突如として北領に襲い来る帝国艦隊!皇国は陣形を引くも、その弱点を突破され司令部は瞬く間に崩壊した。司令長官が一番に逃走!新城たちも逃げようとするが、味方を逃がすために帝国軍を食い止める命令を受けてしまう。
新城が率いるのは、サーベルタイガーを軍用に訓練して共に戦う剣虎兵の部隊。バトルの躍動感はもちろん、時にはかわいらしさも見せてくれるところが好き。新城の人物像も魅力的。開幕1ページ目からインパクトある(笑) 命を奪うことにためらいのない徹底的なリアリストで知略家ながら、剣虎や隊員には義理堅い一面を持つ。仲間を鼓舞するために勇気づける自分を偽善者だと自虐するなど複雑な性格が人間臭くていい。軍の命令には従うが、命令の範囲で部隊に活路を見出そうとするところがアツい。目の上のたんこぶだった若菜大尉のシーンなんてもう鳥肌。表情や目つきがいいんですわ!
その一方、帝国軍を率いるのは戦姫・ユーリア。麗しくも前線にも立つ強者であり、的確な策略で皇国軍を追い詰める!圧倒的不利な状況下で、新城たちは帝国軍を食い止められるのか?!
- 感想投稿日 : 2023年12月7日
- 読了日 : 2023年12月7日
- 本棚登録日 : 2023年12月7日
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