モノ造りでもインターネットでも勝てない日本が、再び世界を驚かせる方法―センサーネット構想

  • 東洋経済新報社 (2016年2月26日発売)
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感想 : 7
5

神戸大の三品教授の本。経営関係の学者や識者のなかでも、
氏の書籍は、いつもわかりやすく、面白いと思います。
今回はIoTというかセンサーを使ったセンサーネット構想。
最近なんでもかんでもIotという言葉をつけたがる
傾向があるような感じがしますが、
Iotというよりもセンサー技術。センサー情報の活用が
今後重要な意味合いを持つことに関しては非常に共感
というか同意できる内容です。

さらに、googleyaやAmazonなどの欧米Bigの強みは
個人属性情報の蓄積によるもの。であるが故に、
その裏側にプライバシーの問題があり、それが彼らの
アキレス健になる可能性があること。また、それらを
鑑みて、プライバシーから完全に切り離した
センサーネットは、インテリジェント。ソサエティー
の立役者になる可能性があること。など、なるほど
というか、納得できる事項が多くあったものと思います。

個人を特定せずに、あらゆるセンサー情報を蓄積し
そのBigデータを販売(売り子)のみに活用するのでは
なく、本当のITスマート社会を作っていく基盤に
できるということ。
さらにセンサーを取り込んだbigデータは、いままでに
論じられてきているボリュームをはるかにしのぎ、
そのデータを分析することで、今までのように
因果関係を推測するようなデータ分析ではなく、
疫学的なアプローチから課題を解決できるような
本来のBigデータ分析が可能となること。
これらから言わずもがなセンサーネット構想の重要性が
理解できるものと思います。
ただ、最終章を中心とした、ではどうやってセンサー
ネット構想を日本においてそれを実現し、世界の
先進を走れるようになるのか。という方法論については
すこしありきたりの内容であったような気がします。
方法論は、そんなにスマートな解決方法はなくやはり
地道な正攻法な方法論しかないのかも、とも思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 最近読んだ本
感想投稿日 : 2016年4月30日
読了日 : 2016年4月30日
本棚登録日 : 2016年3月13日

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