爆笑問題のニッポンの教養 みんなの憲法入門 憲法学

  • 講談社 (2008年8月26日発売)
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憲法学とは、国をはじめとする公権力は何が出来て何が出来ないのか、何をやるべきで何をやってはいけないのかを研究する学問。
人々の価値観の対立はなくならない。なくならない中でどうやって公平な社会の仕組みを作っていくのか。それを環境の変化なり、人々の生活や暮らしぶりの変化などにあわせて、その都度考えていくのが憲法学の目指す処と、長谷部さんは云う。

価値観が異なるのだから議論に決着はつかない。
絶対的答えを探る科学より、憲法学/法律学は芸に近い。
異なる価値観の間に入ってうまいこと折り合いを付ける芸だという。
因みに芸の上手い下手が真偽に等しくないのは当然のこと。

憲法とは国の行動基準だ。ある約束事のうえに価値観の異なるものがまとまっているのが国である。約束事である憲法は国の個性であり、国そのものとも云える。憲法が同じなら同じ国とも云える。
ただ、もし万国憲法のもと世界がひとつになってひとつの政府に支配される国が出来たら、専制国家の危険性やそれが瓦解して無政府状態になる危険性がある。

●9条改憲、護憲について
・国のために戦争にいって死ぬってのは本質見失っちゃってる。
国民のための国だったのが、国が先に行っちゃうっていう矛盾。
何故そうなるか。自分が大事だというとKYになっちゃうから、その恐怖から逃れるために国のためにいく。でも、結局お前死ぬんだよ、と。それも生き方だけど、みんなが当然その通りってのもおかしい。てか俺はイヤだ。
・多数決が効用を発揮するには、独立した考えで参加しなければ意味がない。
派閥の票は派閥全体で1票の価値に過ぎない。
・一人前の国になりたいというが、昨今よく、国際社会の要求がこうだからというのがあります。
ただ国際社会というものがそこにごろんとあるわけではなく、やはり国際社会という名目でいろいろ発言をする具体的な人、団体があるはずです。具体的な人の具体的な発言を吟味して、それが本当に筋の通ったものなのか、本当にそのようにするべきならそうすればよいでしょうし、すべきでないならその独自の判断に基づいて行動するというのが、一人前の国になるということではないでしょうか。

憲法には思想を入れてはならない。
人はどう生きるべきなのかということは憲法では教えないし、教えてはいけない。それは各自で考え、各自で決めること。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 爆問学問
感想投稿日 : 2013年11月16日
読了日 : 2013年11月16日
本棚登録日 : 2013年11月16日

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