テリー伊藤の天才ノート

著者 :
  • PHP研究所 (2007年7月26日発売)
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テリー伊藤は、ベッタベタを提供する職人です。
素材を斜めから、正面から切り取って、
判りやすく、突き抜けることに命張ってます。

細かい根拠や整合性なんてどうでもいいんです。
世間の8割はそんなこと求めてないんですから。
テリー伊藤はハナから頭でっかちは相手にしていないのです。

そして みのりもんた然り、訳知り顔でカメラを見据えてしかめっ面をすると、
「適当そうに見えて、ちゃんと考えてる人」に見えてくるんだから不思議です。
「適当そうに見えて、ほんとうに適当」だとしても。したたかなマジックです。

“天才”・・・この言葉には、世間一般の大衆の思考能力を奪う魔力があります。
何を超えたら“天才”かは定義が難しいからです。
だから「あの人は天才だ」と言われりゃ、「へぇすごいんだ。」となり、興味を魅かれます。
これもテリー伊藤のマジックです。

人はテレビを観てる時は出演者に思考を委ねます。
観てる間は考えないんです。鵜呑みにするんですね。
だから判りやすい方がウケるんです。天才テリー伊藤の狙いはそこです。

そんなテリー伊藤が20人の著名人の“天才”ぶりを分析し解説したのがこの本です。
以下、本文一部抜粋です。

・「遠くを見つめる天才」-斎藤佑樹
サラリーマンなら「社長になること」を目標にしなければいけない。
・「自分を追い込む天才」-ビートたけし
グズグズしている自分を捨てサッサと次の自分をめざそう。
・「多忙の天才」―みのもんた 飲み屋をハシゴする感覚で仕事をこなす。
・「人に許される天才」-渡部恒三 自分の弱点を隠さない、隙がある人
・「悩まない天才」-高田純次 何かに行き詰ったときは、高田純次を思い出せ
・「51対49の天才」-阿木耀子 49個悪くても51個良ければ幸せ
・「人を楽しませる天才」-萩本欽一 「○○祭」という言葉は 魔法の言葉

・新しい興味を見つけたら そこに飛びつく天才―ビートたけし、イチロー、黒川紀章

天才は過去の自分に興味がない。
天才は逃げ足が早い。
天才は苦難の末の快感を知っている。
天才は「M」である。
天才は根拠のない自信を持っている。
天才は忘れた頃にやってこない。
天才の賞味期限は2年である。
天才は「6割の強気と4割の弱気」が交錯している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2013年11月16日
読了日 : 2013年11月16日
本棚登録日 : 2013年11月16日

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