「西洋人とつき合うには、すべての言動にプリンシプル(原理、原則、主義、信条)が
はっきりしていることは絶対に必要である。」白洲次郎。
ものごとをあえて複雑にすることを高級とする日本人の「自己陶酔」を皮肉り、
シンプルで強烈で一直線な己の正義感を「単純な社会正義感」と表現した白洲次郎。
いつ、どんな時も、誰に対しても毅然とした態度を貫いた男。
戦前から日本は米英に勝てないと断言しカントリー・ジェントルマンとして備えた男。
吉田茂の片腕として、高圧的なGHQ高官に少しもひるまず、堂々と渡りあった男。
― 日本は戦争に負けたのであって、奴隷になったわけではない。
その後、貿易省初代長官として通産省を立ち上げたり、
サンフランシスコ講和条約の全権団顧問として訪米したり、
東北電力会長として只見川の水利権を東京電力から強奪して東北電力の礎を築き、
大沢商会、大洋漁業、日本テレビの役員・顧問を歴任した男。
晩年、常務理事を務めた軽井沢ゴルフ倶楽部ではうるさ型のじいさんになり、
80歳までポルシェ911Sを乗り回し、トヨタの新型車(ソアラ)のアドバイスなども行なっていた
この「乱世に生きがいを感じた野人」「表舞台を準備すると風のように舞台裏に消える男」
の実像を家族・友人・政財界の知人達のコメントと豊富な写真で伝える一冊。
英国紳士的白洲流ダンディズムを、
「カントリー・ジェントルマン」を理想とした身の処し方を、
そして自由人だった「風の男」の生涯を、
感じ取れ!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
伝記
- 感想投稿日 : 2013年11月15日
- 読了日 : 2013年11月15日
- 本棚登録日 : 2013年11月15日
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