ルパン三世 - カリオストロの城 [DVD]

監督 : 宮崎駿 
  • ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
4.16
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本棚登録 : 2026
感想 : 290
4

「どっちにつく?」
「おんな~!」
「だろうな。」

「こわいから、俺 寝る。」

「本格的に攻めて来やがった。
この事件、裏ぁ深いぜぇっ。」
「あぁ。面白くなって来やがった!」

ルパンと次元の会話は、
どんな困難でも余裕を感じさせて、
カ~ッコいいです。

海岸沿いを疾走したり、坂道を下るシーンなど、ルパンと次元がフィアット500に乗って
夜営したりタバコで一服するオープニングは、
言葉がなくても作品の世界観、雰囲気を
見事に語りかけます。

全編に亘って、カット、構図、カメラワーク、
音楽の入るタイミングなど、
宮崎駿監督の映画的手法が冴え渡ります。

オートジャイロを迎え入れるシーンなど機械周りを丁寧に描いたり、群衆の一人一人がイキイキと生活している姿をしっかり描いたり、スパゲッティなど食べ物をちゃんと美味しそうに描いていて、宮崎駿のこだわりに溢れています。

本作品は、ルパン三世という題材を使った
正に宮崎駿の作品です。
宮崎駿の世界観で描いたルパン三世です。
ハイジ、コナンなどで、宮崎駿とヨーロッパ風
世界との親和性は証明済みであり、
本作品も、どこかノスタルジックな世界観と
現実離れしているけど爽快な躍動感のある
良い作品です。

「その子が信じてくれたなら、
泥棒は空を飛ぶことだって、
湖の水を飲み干すことだって出来るのに!」

「ルパンが来たでしょ?
滅茶苦茶んなっちゃうから、もう帰るの。」「あの方をご存知なの?」
「ウンザリするほどね。
時には味方、時には敵。
恋人だったこともあったかな?
彼、生まれつきの女たらしよ、気を付けてね」
「棄てられたの?」
「まさか。棄てたの。」

「これでカリオストロは終わりだ。斬れ。」
「無益な殺生はせぬ。」

「行ってしまうの?」
「う?うーん。
怖~い おじさんがいっっぱい来たからねぇ。」
「私も連れてって!
泥棒はまだできないけど、きっと覚えます!
私、私、お願い!一緒に行きたい!」
「クラリス。」
抱き締めようとする手を、ぐっと堪えるルパン。
「バカなこというんじゃないよぉ。
まぁた闇ん中に戻りたいのかぁ?
やぁっとお日様の下に出られたんじゃないか?
な、お前さんの人生はこれから始まるんだぜ。
俺のように、薄汚れちゃいけないんだよ。
あぁそうだ。
困ったことがあったらね、いつでも言いな!
おじさんは地球の裏側からだって、
す~ぐ飛んできてやるからなぁ。」
口づけをせがむクラリス。
おでこにキスするルパン。
フィアット500に乗って去るルパン一味。
「ありがとう、みなさん。さようなら~。」
「さいなら~、さいなら~~~~~。」
ルパンを追い、駆け付ける銭形警部。
「くっそ~。一足遅かったか!
ルパンめ、まんまと盗みおって!」
「いいえ。あの方は何も盗らなかったわ。
私のために闘ってくださったんです。」
「いや。
奴はとんでもないものを盗んでいきました...。
あなたの心です!」
「はい!」
嬉しそうに頷くクラリス。

ルパンを地の果てまで追いに
パトカーに乗り込む銭形警部。
クラリスに笑顔で手を振る警官隊。
丘の上から手を振り見送るクラリスと庭師の老夫
「なんと気持ちのいい連中だろう。」
「私、ずっと昔からあの方を知っていたような気がするの。
ルパン。きっと、きっとまた会えるわ。」

「い~い娘だったなぁ.........。
おめえ、残ってても、いいんだぜぇ?」
黙り混むルパン。聞こえるパトカーのサイレン。
「ルパン!今度こそ逃がさんぞぉ!」
またいつもの追いかけっこを始める一同でした。

ちゃんといつもの場所にルパンを返して、
宮崎駿版ルパンは幕を閉じるのでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: アニメ
感想投稿日 : 2020年12月13日
読了日 : 2020年12月14日
本棚登録日 : 2020年12月13日

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