江戸末期~明治の政商・政権癒着の占い師の伝記的小説。江戸期の苦労話はまあ面白い。明治政商期はだんだん面白くなくなる。特に後半はいかに占いが当たったかメインなので小説としてはつまらない。ある意味、最初の父の嘉兵衛が鍋島・南部両藩を向こうに回しての活躍部分が一番面白いかも。
高木彬光もこういう実録的な作品はあまり得意ではないのかな?高木氏自らも研究したという易にとらわれてしまっているようだ。そうなると対象を見る目も曇ってしまう。こういう小説は友人である山田風太郎(明治物は傑作)にはちょっと及ばないようだ。
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- 感想投稿日 : 2020年9月16日
- 読了日 : 2020年9月15日
- 本棚登録日 : 2020年9月10日
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