フォローさせていただいている方のレビューで、萩の月で大爆笑なさったという一文を読み、気になって仕方がなかった本書。
萩の月、大好き~♪しかしなぜに爆笑??
謎を解くべくいざ読まん、と勇んで開いた一ページ目。
ご本人の言葉にもあるように「やる気のない書き出し」で少々不安に。
ところが、めくった次のページ。
豪儀な将来の夢(目くらまし)にくすっと笑い、太宰治の当て台詞「俺がそんなに?井伏じゃなくて?」にぷははっと笑い。
続く妄想大全開には身に覚えがあるものの、笑いながらなんでやねんと突っ込む余裕がまだあったのに、「あげる」の不本意なイカで涙が出るほど大笑い!
やっと笑いが治まって目にした次の文が、件の「萩の月」。
いやー、まさかイカと萩の月がコンボとは・・・!
辿り着いた体育会系らしい結論も、もうなにがなんだかわかったようなわからんような、でまたまた大笑い。
・・・噴き出したコーヒー返してください。
「寂しさの考察」という稿をはじめ、いろんなところに何度も出てくる「寂しさ・孤独」「己の考えていることが誰にも伝わらない」という言葉。
見るだけではマイナスな印象を受けそうだけれど、けしてそういうふうに書かれているわけではない。
離れていても繋がっている、そういう存在があればひとりでいても寂しくない。
言葉はたやすく通じないけれど、発されなかった言葉もなにがしかの力を持ち、その人のたたずまいとなり周囲になにか伝えるのではないか。
落ち着いた目線で自分と周りを冷静に見つめている文章の底には、大切だと思っている人たちへの揺らがない信頼があるように思う。
“「孤独」がすなわち「寂しい」とは限らない。”
寂しがりやの孤独好きのわたしには共感できる言葉がたくさんあり、読んでよかった一冊。
- 感想投稿日 : 2013年5月14日
- 読了日 : 2013年5月13日
- 本棚登録日 : 2013年5月14日
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