バガージマヌパナス わが島のはなし (文春文庫 い 39-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (1998年12月8日発売)
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本棚登録 : 375
感想 : 56
4

職場の上司にお借りした本です。
多分自分じゃ絶対買わない系統の本なので、
こういう出会いがあるのが貸し借りの醍醐味ですね。

さて、物語は沖縄を舞台としたファンタジーです。
主人公の綾乃が親友のオージャーガンマーという86歳の婆さんと
ダラダラとした毎日を送る中で、
突然神様にユタ(巫女のようなもの)になれ、
と言われて・・・というお話です。

沖縄の空気感なのか、全く切羽詰った感じは無く、
ひたすらダラダラした展開に最初はなじみづらいところもありました。
しかし慣れると意外に心地よいのです。
何もしなくて良い、ただ毎日生きるだけでよい、
そういう在り方も許されるんだなぁ、なんて思わされました。

7割ほど進んだあたりからは綾乃がユタになって、
物語は急展開を見せます。
そこからのスピード感もなかなかに良かったです。
それまでずっとアイドリングで運転したのに、
突然アクセルを踏み込んだような展開の中、
急に大人の女性になっていく綾乃はとても魅力的です。

なかなか面白かったので、その内テンペストとかも読んでみようかな、
なんて思わされました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年2月5日
読了日 : 2012年2月5日
本棚登録日 : 2012年2月5日

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