バグる脳 ---脳はけっこう頭が悪い

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 159
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309252735

作品紹介・あらすじ

あなたの脳はバグだらけ!?驚くべき高機能の裏にある、あきれるほどの欠陥と限界。

感想・レビュー・書評

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  •  今日もニュースを見るとアメリカのトランプ大統領がツイッターで吠えている。『トランプ大統領「オバマ前大統領が私の電話を盗聴」と非難』と言うニュースが流れていて、また「フェイクニュース」を演出していると思った。この人の頭の中身はいったいどうなっているのだろうか。



     とは言っても、頭がフリーズしたりバグったりするのはあの人だけではない。脳はコンピュータと違って、原始以来の古い脳(食う、寝る、生殖と言ったこと)と新らしい脳(思考など)が同居しているので、1+1は2と割り切れないようだ。



     人間の脳は、「想像もつかないほど複雑な形で相互に連結したニューロンのもつれ合いから成る」ので、記憶違いが起こる。



     記憶について、人間が覚えられる事に限界があり、それを超えると処理しきれないようだ。記憶は、事実をそのまま再現でばなく、ところどころを再現した形でされると指摘していて、どこで入れ替わったのか、消えてしまったのかに注目する必要がある。



      
     この脳の性質を巧みに利用して一儲け(場合によっては大金を稼いでいる)しているのが広告だ。あの永遠の輝きで有名なダイヤモンドの会社も巧みに脳の不具合を利用して今の地位を築いている。



     まさに脳とはさみは使いようだ。 
     

  • 今ひとつだな。

  • 大崎Lib

  • 内容的には好きなんだけど、なんだか読みづらい文章。最後まで読むのに非常に時間がかかった。興味深い内容もいくつかあったけど今まで読んだ脳関連の内容からするとそれほど目新しい内容ではなかったかな。

  • 脳科学の知見および人が犯す失敗を、脳が現在の前の社会に適応していることによる「脳のバグ」によるものであるという視点で、まとめた本です。
    登場する脳科学や心理学の研究成果は脳科学本によく登場するものが多く、目新しくはないですが、脳のバグという点で見直すことで、整理されていると言えます。いくつか、そういう風に考えられるのか~と感心させられ、頭が整理されるような気もしました。逆に言うと、まだまだ脳科学の知見は、何とでも捉えられるとも言えます。損失回避というのがあり、例えば、コインを転がし、表なら1000円もらえ、裏なら1000円取られる賭けを人は嫌がる、これは、1000円に対して、もらえる額を1500円にしても嫌がることが多く、損失回避として知られていますが、なぜこういう心理を持っているのかに関して、先祖にはお金がなく、例えば食べ物で賭けをしていた。それを失うことは、餓死を意味し、また賭けのような取引は相手が信頼できる場が必要だが、現在のように信頼できる賭けの場はなかった。そのため、そういう風に脳が進化したという説が書かれています。また婚約指輪にダイヤモンドが使われるようになったのは、バレンタインチョコのように、企業のマーケティング戦略にはまっているからだろうです。デイビス社が仕掛けたことだそうで、時々出てくる、豆知識も参考になりました。

  • はじめに 脳は今日もバグってる
    第1章 ニューロンがもつれる
    第2章 記憶のアップデートについていけない
    第3章 場合によってはクラッシュする
    第4章 時間感覚が歪む
    第5章 必要以上に恐れる
    第6章 無意識に不合理な判断をする
    第7章 広告にすっかりだまされる
    第8章 超自然的なものを信じる
    第9章 脳をデバッグするということ

  •  地球上に最初の脊椎動物が発生して約5億年、哺乳類が誕生して約2億年、原人が誕生して100万年・・・種は、そして生物の脳は、地球環境の変化に適応すべく、長い時間をかけて進化してきた。
     だが、活版印刷技術がメディアに革命を及ぼして500年、近代文明のスタートを切った産業革命から200年、テレビの普及からは50年、インターネットはやっと20年・・・メディアと科学技術の急変に、世代交代に依存する進化は付いていけるはずもない。当然、我々の脳も文明に適応できていないと考えたほうが妥当だ。
     OSが旧式のまま最新の周辺機器を揃えたり、最新のソフトをインストールするようなものである。
     当然、誤作動の嵐となる。厄介なことに人間の脳は(旧式のくせに)自己欺瞞にたけ、誤作動を誤作動として認めない。
     『バグる脳』は人間の(猿やラットなど実験動物の)脳の誤作動のメカニズムとその具体例、実験結果を紹介する一冊だ。
     ニューロンの仕組み、記憶のメカニズム、神経病理、遺伝する恐怖と学習する恐怖、認知心理学、行動経済学、神秘主義と信仰など、守備範囲は広い。それぞれを「脳の誤作動」という切り口から解説する手法は興味深い。
     非効率な意思決定バイアス、病的な不安や恐怖、巧妙ななマーケティング、企業や政党によるプロパガンダ、神秘主義の誘惑・・・我々は脳の誤作動による様々なリスクを、気付かぬまま背負って生きている。そのダメージを最小限に抑えるには、「バグる脳」を自覚し、誤作動を折り込んだ意思決定を心がけるしかないようだ。

  • 人類誕生よりも前から長い年月を経て作り上げられてきた脳のシステムが現代の生活において露呈するバグの話。
    記憶の曖昧さや行動をプライミングできること、時間感覚があてにならないこと、必要以上に抱く恐怖、ダイアモンドなんかの例に見られるマーケティングへの弱さ、宗教信仰の話なんか。
    現代の急激な変化に脳が対応しきれないのはそうなんだけど、それを知ってるかどうかってだけで毎日が変わってくるよね。ただ面白いだけでなくて、そうゆう意味でも価値ある本だった。

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著者プロフィール

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)神経生物学・心理学部教授。脳の時間処理機構をテーマに、実験動物を使った電気生理学実験・ヒトを対象とした心理実験・コンピュータシミュレーションによる理論構築など、多角的なアプローチから研究を行っている。

「2018年 『脳と時間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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