暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社 (2012年11月2日発売)
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本棚登録 : 6595
感想 : 434
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漫画大賞の上位に選ばれていたので、見てみた。

設定が今までにないものだった。
(概要)
ある日突然、月が爆発して七割方蒸発した。その犯人と称し、しかも来年三月には地球をも爆破するという超生物がやってきたのは、何故か中学校の教室。なんとここで教師をすると言うのだ。人知を超えた能力を持ち、軍隊でも殺せないその怪物の暗殺を、各国首脳はやむをえずそのクラス…椚ヶ丘中学校三年E組の生徒に委ねる事になる。成功報酬は百億円! 落ちこぼれクラス「エンドのE組」の生徒達は、卒業までにこの暗殺対象の教師「殺せんせー」を殺せるのか…!?

ジャンプコミックスには、表紙の裏側に作者からのメッセージがつく。そこには

「殺す」というのは、とても不思議な言葉です。頻繁に口にされる事がありながら、最も実行に移されない意思表示。
そんな奇妙な単語ひとつを軸に、物語をひとつ作ってみました。
最後まで楽しんでいただけたら、殺されてもいいほど嬉しいです。

私の世代では、この前書きそのものに違和感があるのではないか。私の世代で「殺す」という言葉を「頻繁に口に」するということがあるだろうか。私は無い。「殺したいほど」「憎んでいる」「愛してる」というのは、一生のうち使うか使わないかの言葉だし、あと他に思いつかない。ところが、である。3年ほど前に、中学生卒業したばかりのヤンチャな男子の会話を聞いていると、「殺す」という言葉がホントに頻繁に出てくるのである。「お前今度そんなことをやったら、マジ殺す」ひどい目にあわすぞ、という言葉の「軽い意味」として使われているのである。

私の世代では、既に戦争は遠く、殺すという実感は遠くにあったが、ともかく怖いものとしてこの言葉は位置づけられていた。しかし、ゲーム世代の子供たちにその感覚はなく、「ステージクリア」の手段としての言葉になっているのだろう。

集団的自衛権の解釈改憲が具体化されようとする今日、この言葉の意味の再検討が求められている。この漫画がどのように展開して、結末に至るのか、少し注目したい。(物語は単行本で10巻も出ていて、未だ二学期の途中らしい。三学期中に結末がつくのだろうけど、まだまだだなあ)(14.7.12記録)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年7月12日
読了日 : 2014年7月12日
本棚登録日 : 2014年7月12日

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