全体的には雑誌編集に役立つようなデザインの基礎が「目で見て分かる」ように書かれた良書だと思う。私は別の思惑で本書を手に取ったので、その点に絞って感想を述べる。
20年以上、月1回ある団体のミニ新聞(A4)をボランティアで作っている。ワードで作っているので、あんまり凝った事は出来ないが、それでも一回の作業時間3-5時間のうち、半分以上は「割り付け」「レタリング」に費やされるのである。10年ひと昔、ならぬ20年ほとんど進歩がない私の新聞の少しは改善点があるのではないか?と思って紐解いた。
割り付けについて
⚫︎どんな構成かは「どんな人に」「何を」「なぜ」「いつ・どこで提供するか」で決まる。←当たり前のことだけど、大事。時にはそれを思い起こして作っていこうと思う。←ここまで書いてふと気がついたけど、20年の間に「人」と「いつ・どこ」は大きく変化している。20年ひと昔のように同じ新聞を作ってはいけない、ということに今更ながら気がついた。
⚫︎誌面構成の解説は、わかりやすいカラー例示と共に整理されていて、本格的にきちんと頭に入れば割り付けに応用が効くのかもしれない。
レタリングについては
⚫︎書体を声音に例えて擬人化してみる
体育会系 ヒラギノ角オールドW9
かわいい子ども 筑紫A丸ゴシック
しっとりした女性 筑紫明朝体
おばあちゃん リュウミン+遊筑36ポ仮名
明快なビジネスマン ゴシック体M
→ただし、こんな細かい字体は持っていない
⚫︎やはり書体や大きさ、時には字間も「煩雑に」変えよ、と解説している。時間がかかるんだけどなあ。
⚫︎タイトル・リード以外にキーワードがある。方法は、数字をつける、アイコンや記号、“”、【】、フリガナや英語訳を添える等々。
⚫︎写真には「感じる写真」と「読む写真」がある。
うーむ、作る時間が増える事はあっても、時短にはなりそうにないなぁ。雑誌編集はいつもこんなことを考えてるのか!時間がいくらあっても足りないじゃないか!
- 感想投稿日 : 2019年11月13日
- 読了日 : 2019年11月13日
- 本棚登録日 : 2019年11月13日
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