アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラソル奇譚)

制作 : Gail Carriger 
  • 早川書房 (2011年4月8日発売)
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本棚登録 : 1092
感想 : 171
5

これは好きだー!

最新巻の本帯で田中芳樹先生も推薦なさってますが、この作品は、とても、いい!

古き良き時代の名残ある英国で。

夜の帝王吸血鬼が闊歩し。

人狼が捜査官として活躍する。

そして魂なき貴族の女性が、人ならぬ者たちとバトルをする。

SF?スチームパンク?ファンタジー?ホラー?

ジャンルなんかなんでもいい。とにかくこれは、楽しい。

実はほぼジャケ買いなんですが、これに関しては、ハヤカワが見事としか言いようがありません。

本来の題名は、『SOULLESS』。

主人公アレクシアの属性である、魂なき者=ソウルレスというたったこれだけのタイトルを、まさかの『アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う』という、ラノベ風味なタイトルに変え、更に、表紙の絵が、そのラノベ風味を助長し、「まず興味を持って手にとってもらう」という第一関門を突破している。(実際、新刊本でもない限り、お客さんに手にとってもらえる本は、幸運である)

そして訳文も、原文を適度に砕きながら、読みやすくしつらえてある。(原文確認してないけど、たぶんきっとの世界で)

主人公アレクシアの能力はそう言えばと、どこかの禁書が確か似たような能力を持っていましたが、偶然でしょう。

魅力的なキャラも多いし、展開も適度なターンで転がっていくので、飽きもしないし、ちょっとエロ描写が、しかも主人公の激しい息づかいが聞こえてくるタイプのものが多い上に、ラストシーンがものすごいことになってますが、まあそこはそれ。

愛嬌として片付けておきましょう。

アニメ化は無理じゃなあ。さすがにのう。

吸血鬼、人狼(狼男)、そしてスチームパンクの科学と、面白いガジェットがこれでもかと詰め込まれています。

楽しんだもの勝ちな作品です。

どうぞお楽しみあれ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 英国パラソル奇譚
感想投稿日 : 2012年5月1日
読了日 : 2012年5月1日
本棚登録日 : 2012年5月1日

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