マクロ経済学の基礎と展開、ミクロ経済学の基礎と展開という4部構成になっており、基本的に中学レベル以上の数学は使わず、言葉で経済学の仕組みを講義録のような口語形式で記述している。このため、がんばれば中学生でも読めるような仕上がりになっている一方で、数式が使えないため言葉の説明が長くなりがちという一面もある。
マクロ経済学の基礎では、新古典派とケインズ派の考え方の違いや、乗数メカニズムによる波及効果の説明などを中心に行い、展開では、失業や経済成長、財政・金融政策のメカニズムなどを説明している。また、ミクロ経済学の基礎では、資源配分という視点である財の需要と供給のメカニズムを説明し、展開では、独占の理論や不完全情報の経済学、消費者行動や比較優位性など、一般均衡分析の概念の説明をしている。入門の名前にふさわしく、経済学を広く浅く紹介している。
コラムで現実の経済との関係を説明しており参考になるが、少し話が古いところもある。ごく一部だが事前に定義していない用語・記号を使用している箇所もあり、初めて経済学を学ぼうとする人には少し不親切かもしれない。しかし、練習問題に対する解答もついており、自習には役立つ本だと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
経済
- 感想投稿日 : 2012年2月7日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年2月7日
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