震災時の「朝鮮人虐殺」についてはいろんな話があるのは承知しているが、まとまった本を読んだことはなかった。
時代背景として、止むに止まれぬ韓国併合後、彼の国の方々の「テロ」あるいは未遂が実際に散発、あるいは多発していた。
それだけでなく、国内色んな不穏情勢があって、不安が漂っている。
んで持って、実際、「朝鮮人」による「事件」はあったらしい。
目撃者の証言がかなり残っている。新聞記事にもなっている。外国人の証言も残っている。
「朝鮮人」側の、やるぜ、やったぜ的な証言もある。
実際、摂政宮を狙ったテロも具体的に計画されていた。
そんな中で、今のような情報も何もないあの時代で、市民が自分たちと家族を守ろうとした。それが自警団。
「朝鮮人」の全てが悪いと思っていたわけではないが「朝鮮人」という属性がまず、危機管理のキーワードになったことはやむを得ないだろう。大半の無辜な「朝鮮人」には傍迷惑であったわけだが、別段それは人種差別ではない。
個人には酷い扱いであったかもしれないが、疑い晴れて解放された例も勿論たくさんある。
一方で、過剰防衛であったり、過激対応で無実ながら殺されてしまった事件も、不幸にもあったのは事実で、事後に有罪を喰らった事例も多々あって。
問題は、この不安定な状況を、「朝鮮人」との決定的な暴力的対立を生めば、摂政宮に危害が及ぶと判断した政府と警察が、掌返したことだと筆者は言う。
推察とエビデンスが交錯して、どっち転びかようわからんところはあったけど、少なくとも時代背景とか考慮せず、「虐殺はあった、日本人はひどい」と言う論調はおかしいよな。少なくともそういう論の、エビデンスはないようだし。
「虐殺」された人数だって、死体が確認できないとか、七人かあるいは三百人なんての堂々と言ってるし、大体あの状況で、どうやってカウントしたんやっていう。
この本一冊で何を判断できるわけではないが、いつものあれかあ、と思った次第。
- 感想投稿日 : 2024年4月17日
- 読了日 : 2024年4月17日
- 本棚登録日 : 2024年3月24日
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