三国時代と晋の主要人物を略述した歴史書である。個人的に三国志が好きだったので、興味深く感じた。中国人は概して人物を見る興味が常軌を逸して深く、一見非業の死を遂げた人間に対しても、その人物の素行や性質を見極めて死への得心を果たそうとする。かの司馬遷が英傑の運命を略述して静謐に自得していたのは、彼に特異な傾向ではなく、中国人の国民的態度である。太古よりまめまめしく歴史を書き続けてきた中国の伝統は驚異的な洞察力を育んで来たと言える。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2017年7月8日
- 読了日 : 2017年7月8日
- 本棚登録日 : 2017年7月8日
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