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三体Ⅱ 黒暗森林(下)
- 劉慈欣
- 早川書房 / 2020年6月18日発売
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やっと読み終わった。読んでよかった。最初の「箏」を超えるとんでもない展開。よく考えればあのまま呑気に終わるわけないのは当たり前なんだけど、こんな本当に暗い出来事が続くなんて。
水滴と章北海たちの球体は映像で見たい。
それはそれとして、やっぱり羅輯は女性ジェンダーでいけるし、「女性キャラクターの作り」の平凡さは払拭できるよ。
2024年4月15日
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三体Ⅱ 黒暗森林(上)
- 劉慈欣
- 早川書房 / 2020年6月18日発売
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羅輯が男性ジェンダーである意図がわからない。
女性ジェンダーとして荘顔と出会っても全然いける。そっちの方がおもしろい。
世界観としては大きいのか小さいのかわかんないとこがいい…のかな。
2024年4月6日
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魅惑の生体物質をめぐる光と影 ホルモン全史
- R.H.エプスタイン
- 化学同人 / 2022年8月25日発売
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むちゃくちゃおもしろかった。
普段PMSとプレ更年期障害でホルモンへの恨みが深いので敵を知りたくて読んだ。
「生理機能をコントロールしてる器官(例えば睾丸)に当たりをつけて器官を取って機能がなくなるか実験」
「器官からとったもの注射したら機能が戻るから器官というよりはそれが出してる物質ぽい」
という絞り込みで内分泌学が誕生。
考えてみれば当たり前なんだけど「脳下垂体を生体から集めて成長ホルモン取り出したらクロイツフェルトヤコブ病に汚染されてた」ので「自然物質より合成の方が実は安全だった」とか、現在の反ワクチン反医療者の心情ってこの辺から発生してそう。
人体の機能は器官そのものだけにあるのではなくて、器官を適切に働かせるには適切な体内物質を生み出す部位や遺伝子とそれを受け取る受容体が必要で、体内物質や受容体の有無には遺伝子の有無や発現が関わってて、そのプロセスに登場する何かが欠けると機能しない、というのは、知っておくべきかな。
トランスジェンダーについて書かれた「14章 性転換」は、性同一性や性別不合について今わかっていること・わかっていなくても(これまでの内分泌系の研究がそうであるように)そうであろうという仮説どおりか違ってても大きくは外れてないだろうことが書いてあるし、なによりトランスジェンダーのホルモン治療による副作用よりもうつ病や自殺を減らせる効果に焦点がある文章で書かれている。
漢方には300年前から婦人病対象の薬があるわけで、それがなぜ効くのかはやはり「ホルモンが超微量で人体に影響あるから」なんだろうし、漢方の効能研究も進んでほしい。
強いていうと、文中に書かれた出来事がいつの話なのかがわかりにくい。けど、読みやすいのでおすすめ。
2024年2月3日
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キーエンス解剖 最強企業のメカニズム
- 西岡杏
- 日経BP / 2022年12月22日発売
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「キーエンスと同じことをしても、キーエンスにはなれない P244」=つまり、模倣可能性が極端に低いので、こういう「非公式社史 P245」で平気に大っぴらにできるし、外部第三者の語りを利用して言語化・形式知化=すなわち、社内および就職希望者向けのナレッジ文書にしてんだろうな。
会社案内ですね。
キーワードや超狭い部分で参考になる事例はありつつも。
2024年1月6日
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「協力」の生命全史: 進化と淘汰がもたらした集団の力学
- ニコラ・ライハニ
- 東洋経済新報社 / 2023年6月28日発売
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「ヒトが協力するのは進化的な理由があっただろう」「協力をする種はヒト以外にも存在するがヒトとその種の協力は同じなのか」といった話を、多細胞生物の組織と真社会性のコロニー、ヒトの社会とのアナロジーや、アリ、ハチ、ホンソメワケベラ、シロクロヤブチメドリ、ミーアキャット、そしてもちろんチンパンジーやゴリラの他の大型類人猿との膨大な事例との比較でたどっていく本。
結論として、ヒトがここまで脳と社会性を発達させ、結果として繁栄できたのは協力と集団のルールをつくる能力があったからで、見知らぬ相手を信頼するのは難しいが、気候変動など世界規模の問題への対処はヒトの協力と規範をつくる・変える能力によって成し遂げられる、といったことが書いてある。
全体的に(私が読んだことある)進化心理学で印象づけられがちな「子種撒くのがオスの本能」に対し「メスは出産も育児も生殖は負担だから、ヒトのオスはメスに協力するように進化してしてんだよね」みたいな感じなので読んでてストレスが少ない。
ただ、出アフリカ以降の古い時代の人類社会について、現代の狩猟採集民社会を類推に使ってるのと、フィンランドのキリスト教会の記録でもって「ヒトは一夫一妻制で夫以外の父親の子も少ない」としちゃうのはどうなのかな。
東洋を家族中心の集団主義、アメリカとヨーロッパを家族の外の人もコミュニティに入れる普遍主義としてしまうのも、トランプ支持者や欧州の移民排斥は無視ですか?と思っちゃう。
全体としては生物の協力と罰の行動の事例、真社会性のコロニーを多細胞生物の組織とみなして類推を展開していく考え方はおもしろく勉強になった。
『子育ての大誤解』https://booklog.jp/users/kuritahirahara/archives/1/4150505055 読んだ時の感じに近い。
2023年12月28日
むちゃくちゃおもしろかった。「統計」という軸を通して見る、近代以降の欧州社会と学問の歴史。専門的な記述は大丈夫か?と思うくらい科学史の部分も読みやすい。
フランス革命後、国土の様子を言葉で君主に伝えていた時代から変わり、人口や産業、犯罪や貧困の把握として始まった統計が、どのように国家の機関業務として位置付けられ発展し科学の道具として受け入れられてきたか、ということが書かれている。
まず経済学が統計への批判ののち受け入れ、社会学として発展しケトレーが「平均人」を唱え、生物学では優生学を生み出し、熱力学から物理学に取り入れられ量子力学につながる。
統計は社会学で発展した後に自然科学分野でも使われるようになった、というのは間違えないようにしたい。
科学史の6章、7章が特におもしろい。
最後の方、バルザック、スタンダール、トルストイetcの文学作品に統計がどのように作用してるかの批評。バルザックは、統計が全体しか表せないところ、そこから個人を描写している…とか。なるほど。
個人になれたはずが、統計によりみんなと変わらないとされ、承認欲求を満たすために前衛芸術が生まれた、とか。なるほど。写真に対する印象派みたいだな。
という話を家人にしたら「AIも外れ値を扱えないから平均的な絵しか描けない」らしい。
2023年12月2日
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AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出]
- 大城信晃
- 技術評論社 / 2020年12月10日発売
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ビジネスの部分は結局、会計の数字なんだよな、と思いつつ読んだ。
自分の業界は、前処理の前処理のその前の古い慣習がハードルになってるので、データ分析以前の問題だなあ。
2023年11月23日
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図説 世界史を変えた数学:発見とブレイクスルーの歴史
- ロバート・スネデン
- 原書房 / 2019年5月25日発売
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自分が、数学(史)の何を知っていて何を知らないかがわかってよかった。一つ一つはさらっと表面的に書いてあるのもよい。
現代数学の、なんとなく用語知ってるけど詳しくはよくわからない分野が、何をしようとしてるか、とりあえず知識を得たし、経済学だったり物理学だったりするのだな。
各時代の数学が矛盾を含みそれを解消するように発展してきたわけで、それを踏まえると、自分は「終わりに」にあるテグマークと同じ考え方だな。
2023年11月23日
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進化が同性愛を用意した: ジェンダーの生物学
- 坂口菊恵
- 創元社 / 2023年6月27日発売
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ヒトはもともと両性愛的だし、同性との性行動はヒト以外の生き物にも“普遍的に”存在するし、性別は雌雄に二分できないと考える方が“自然”だし、ヒト以外でも性別とそれに付随する生殖行動が固定的なわけではないのでジェンダーと看做したほうが説明がつく、というような内容。
同性愛やトランスジェンダーが排除されるのは、生殖が目的ではなくコミュニケーションとしての性行動を排除したい人たちがいるからで、それもナチスや優生学以降の話、というような。
Part4 ジェンダーの生物学、Part6 宗教戦争としてのホモフォビア・トランスフォビアは必読。
Part7の三島由紀夫と南方熊楠の話から始まる非定型発達と同性愛やトランスジェンダーの関連はいらないというか、他の脳の話題(三位一体脳ぽいとことか)やジェンダー関連セクシュアリティ関連用語の扱いと同じく不用意過ぎると思う。
性自認などただでさえ、一般と学術的な場で捉え方のギャップが大きく、それが差別的言説につながっているものを、さらに別の意味へ拡張したら余計に混乱を招くのでは。既存の用語ではなく、新しい呼び方も含めて提案すればいいのに。
2023年11月19日
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LTV(ライフタイムバリュー)の罠
- 垣内勇威
- 日経BP / 2023年7月20日発売
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LTVなんて役に立たない、という話ではなく、ある条件の業種では役に立つので、ちゃんとした使い方をしてもらいたいために書かれた本。
事例も具体的で、カスタマージャーニーや顧客調査をどう使うかがわかりやすい。
書いてあることそのまま当てはめるのではなく、やり方を真似しつつ自社にとってはそれぞれの工程がどういう意味を持つかを想定するとよさそう。
2023年9月12日
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トランスジェンダー入門 (集英社新書)
- 周司あきら
- 集英社 / 2023年7月14日発売
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これは誰もが読むべき本。
私は、よく知らなかった部分(特例法やノンバイナリーの人々の感じ方、精神的な性別移行と、医学的な性別移行で直面する諸問題の具体例)について知識を得られた。
・「女の子として/男の子としてこれからずっと生きなさい」という課題、
・「女の子は女の子らしく/男の子は男の子らしく生きなさい」という課題
・トランスジェンダーの人がクリアできなかったのは、その一つ目
というわけ方は大変わかりやすい。
人に説明するときのボキャブラリーが得られた。
2023年7月21日
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オスとは何で、メスとは何か? 「性スペクトラム」という最前線 (NHK出版新書 683)
- 諸橋憲一郎
- NHK出版 / 2022年10月11日発売
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「性は2つの対立する極として捉えるべきではなく」とある割には、オスメスが両端にある1軸のスケールであることに変わりはなく、ゼロイチのデジタルではなくてオスメス両端が100で真ん中0の連続値、というだけで拍子抜けした。
オス軸メス軸の交差で2変数の4象限じゃないんだ?そういう表現の方が適切な場合もありそう。
細胞に性がある、という話も、性ホルモン受容体の遺伝子の活性化の効かせ方に性差があるから、だとしても、性差を見えなくするくらいの個体差=遺伝的多様性もあり得るのが遺伝子の発現では?
一度オス寄りまたはメス寄りにスイッチ入ったなら一つの個体に0を越える細胞はあり得ないってことだろうけど、そのオス100%メス100%の特徴の最大値の位置取りは何によってそうなっているわけ?という疑問。細胞の性がどちら寄りか?は雌雄での遺伝子の発現のしやすさの差→機能差、というのはわかるけど、性別でしか生まれない差なのか?とか。
性差があるとして、じゃあその性別での分布は?ていう。だいぶ重なってんじゃね?
2023年7月10日
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問題解決力を高める「推論」の技術
- 羽田康祐k_bird
- フォレスト出版 / 2020年1月21日発売
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微妙。
フレームワーク使って事実を集めるのは帰納法というか、すでに演繹のような。
論理力的なものを鍛えるならちゃんと論理学とか哲学の本読んだ方がいいのかも。
ビジネスの道具としてならQC七つ道具とか生産管理とか管理会計とかを勉強した方が役に立つ。
2023年6月6日
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稲盛和夫の実学 (日本経済新聞出版)
- 稲盛和夫
- 日経BP / 2000年10月31日発売
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システムを作らせる技術 エンジニアではないあなたへ
- 白川克
- 日本経済新聞出版 / 2021年7月22日発売
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ものすごく役に立つことが書いてある本。
データ移行は大変だよとちゃんと書いてある!
「カネと労力を使っても、使われないシステム、使えないシステムは最悪」は、私も実体験としてあるので、この本の「関係者をいかに巻き込むか」の方法論は本当に助かる。PMBOKかじり程度なりに、私が「使われないシステムは最悪」の信念でやってきたことの答え合わせができた感じ。間違ってなかったし、さらにステージが上げられる。
この内容をシェアしてくれる著者、ありがたい。早速FMは仕事で作ってみたし、今進めているプロジェクトで巻き込まないといけない人たちの顔が浮かんだし、地道にコツコツやらないといけないことへの覚悟ができた。
2023年4月30日
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データ分析に必須の知識・考え方 統計学入門 仮説検定から統計モデリングまで重要トピックを完全網羅
- 阿部真人
- ソシム / 2021年11月26日発売
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数値数式が、ちゃんと都度都度グラフ(座標)で説明されるのでとてもわかりやすい。科学分野の人たちが何をベースに物事を考えてるか、知識が更新された。
自分自身の理解度は検定のとこと後半(因果推論関連は読んできた)までで、回帰分析らへんはまたおいおい見ていきたいけど、p値の問題も把握できてよかった。
数理モデルって何?て思ってたけど、CGがやってきたことだな?
統計学、知れば知るほど、世界の母集団は複雑だねえ。この方法で取り出せる真実はホントほんの一部だねえと思う。
2023年4月23日
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統計分布を知れば世界が分かる-身長・体重から格差問題まで (中公新書 2564)
- 松下貢
- 中央公論新社 / 2019年10月16日発売
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世の中のこと、正規分布だけで説明しすぎじゃない?外れ値はずしただけじゃない?と思ってたので、べき乗分布、対数正規分布もあると知れてよかった。
ランキングプロットは使ってみたい。
最後の方の経済学の箇所、自由貿易についてはちょっと違うかな。
2023年4月10日
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増補 女性解放という思想 (ちくま学芸文庫)
- 江原由美子
- 筑摩書房 / 2021年5月12日発売
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「「差別の論理」とその批判──「差異」は「差別」の根拠ではない」を中心に。
私は「差異の意味を変え」られているだろうか?
Twitterの「「身体的性差がある(根拠、理由、原因)から女性は差別されている」を否定しても「女性は差別されている」は否定されないよ」
https://twitter.com/hiraharakurita/status/1638134609304227841?s=46&t=fj_uGYOVUoBmUhGvZznYew
に小宮友根氏からコメントいただき読んでみた。
2023年3月26日
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教養としての決済
- ゴットフリート・レイブラント
- 東洋経済新報社 / 2022年8月26日発売
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決済ビジネスのテクノロジー方面の今後を知りたかったのだけど、読んでみてわかったのは、結局、決済テクノロジーとは、銀行やカード会社がやってたことをデジタルで早く即時にグローバルにやってるだけ(とはいえ、取引処理やクラウドなど技術の発展あってこそだろうけど)で、ビジネス自体は規制のあるなしとネットワーク効果が重要ってことくらいなんだな。現金がなくなることも、多分、当面はない。あと、暗号通貨のテクノロジーも多分いらない。
ヨーロッパはクレジットカードの手数料が規制があって安いというのもへーという感じ。
「決済が武器になるとき 金融制裁と地政学」の章がおもしろかった。国際貿易でも世界の準備通貨としても米ドルが使われてるので、米国が特権的にそれを利用しているという話。犯罪組織(マネーロンダリング)や独裁政権に関係する企業、国、組織を名指しし、そこと取引があるとドルの扱いから仲間はずれにして締め出す…という制裁。今、人民元がそれを脅かしてるのかな、もしかして。
まあでもなんか読みにくい文章だった。
銀行や会計の歴史知っとくともっとわかりやすいのかな。
2023年3月23日
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1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
- エリック・シュミット
- ダイヤモンド社 / 2019年11月14日発売
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テック業界で尊敬を集めたエグゼクティブコーチの伝記とコーチング手法の本。人に勧められて読んだ。真似できるかどうかはともかく、役には立つ。
元学生フットボール選手で、白人ヘテロ男性で、ホモソーシャルで、とても真似はできないんでしょ?と思って読んでたけど、そこはさすがテック業界。「ビジネスで性差別は許さなかった」とか「黒人のエグゼクティブにもありのままでいいと実感させた」といったエピソードを一応含む。
メンバーをプライベートも含めて常に気にしてチームを盛り立てて、という手法だけど、もちろん気にして励ましても軌道修正できずチームに悪影響を及ぼすメンバーがいれば、見切りをつけるのもコーチの仕事。
壁を作る人には作るなりの事情があるわけだけど、働きかけでそれを崩さず事情を解決できない人のケアは企業は背負わないということだな。
2023年3月9日
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[増補改訂]ビッグデータを支える技術 ——ラップトップ1台で学ぶデータ基盤のしくみ (WEB+DB PRESS plus)
- 西田圭介
- 技術評論社 / 2021年2月13日発売
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仕事で触るうちのデータはなんでこんなに使いにくいのか、どういうテーブルにしてもらったらいいのか、勉強するために買って、一部参考にして放置してたのをようやく読了。
非正規化するのは間違ってなかったんだな、と書いてあることの10分の1くらいはせめて理解できたと言いたいが、プログラムやアプリケーション(?)の呼び出しみたいな記述箇所はやはり門外漢過ぎた。
今時間がかかってる処理もでかいまま扱ってるからかなあ。
コンピュータで写真や図形の処理やデザインをするのに、適切な解像度や色調整、フィルタやチャンネルの知識や、手法とその順番を考慮できると生産性は全然違うよね、というのと似た感じかな。
2023年2月26日
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増補 近代部落史: 明治から現代まで (938) (平凡社ライブラリー 938)
- 黒川みどり
- 平凡社 / 2023年1月12日発売
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出身者ではあるものの、書物では部落史や政策史を学んだことはなかったので読んでみた。
大筋の流れは同和教育で知っていたし、「なぜ私たちは差別されるのか」「この先、差別されることはあるのか」「同和教育は必要か」は実家にいた頃、母とよく話していた。
貧困や職業差別がなくなっても、今だに部落差別がなくなっていない理由の変遷が追いかけられている。
そう。行政が貧困や地名を消しても、私が部落を誇りに思っても、誰かへの偏見をあからさまにしその人たちの尊厳を傷つける行為をやめない人がいる限り、部落差別もなくならない。
その認識でよいのだという確認ができた。
2023年2月12日
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因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか
- ジューディア・パール
- 文藝春秋 / 2022年9月12日発売
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とても面白い本。「ですよね!そうするしかないですよね!?」という部分(因果ダイアグラムと、それが主観的にしかやりようがないという点)と「すいません、それもう少し詳しく書いてください」の部分(do演算子やバックドア基準、フロントドア基準のルール)があり、後者は別の本を読めばいいのだろうか。練習問題があるといいな。
自分がやりたいこと、知りたいことを突き詰める方法があるんだと知れてよかった。
2023年1月23日
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チェーンストアの商品開発―これからの核商品企画と「売れ筋」づくりの基本
- 渥美俊一
- ダイヤモンド社 / 2010年2月5日発売
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仕事の仲間・相手が何を考えているのかを知った上で話をしたくて読んだ。
経験則がここまでまとまってるのは本当にすごい。リアルな物理的な調達や生産だから世の中がどれだけ“DX”しても古びる部分は小さそう。ただし、情報の流通は、お手本の欧米はどんどん改革されているから、その部分の「まね」はどうあるべきだろうか。
2022年12月22日