大学生時代の経験をもとに鶴見がアメリカ的な価値観について論じたもの。公民権法ができるまで白人層と同じ選挙権を持てなかったアフリカ系移民、近代化の中でも伝統的な生活をするインディアンの記述から、普遍的な価値観の押しつけではなく、多様な価値観(鶴見は使っていないが、オルタナティブの考え)がアメリカにはあふれており、それを無視した議論はできないという筆者の意図を感じる。
戦後知識人の中で鶴見はアメリカという国を肌で感じた数少ない一人である。彼の主張の背景にある原体験を知る好著。
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- 感想投稿日 : 2012年3月26日
- 読了日 : 2012年3月24日
- 本棚登録日 : 2012年3月25日
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