ヤンキー君と白杖ガール 1 (MFC)

著者 :
  • KADOKAWA (2019年1月23日発売)
4.22
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本棚登録 : 322
感想 : 27
5

ガッツーン、と来ました
うおやま先生が嫌がっても、私は遠慮も容赦もせずに、この『ヤンキー君と白杖ガール』を殿堂入りにしますよ
最高すぎて、こう、体中の毛穴から変な液が出てきそうになります
こういう書き方をしちゃうと、未読の漫画読みに、「え、面白いの、本当に?」と敬遠されちゃうかもしれないと判っちゃいるんですけど、冗談抜きで、読んだら、少なくとも、歓喜で涙ぐめます
何で、こんなに、読み手の心にぶつかっていける、凄い漫画を描けるんでしょうか、このうおやま先生は
それなりの数の漫画を読んで、感想書きとしての地力を上げたつもりでいたんんですけど、やはり、未熟です、私は
悔しさで血涙が出そうです
この『ヤンキー君と白杖ガール』の良さを伝えたいのに、どう伝えていいのか、まるで掴めません
時間をおけば、もしかしたら、書けたかもしれません
けれど、読んで、すぐに書きたい、と思える作品なんです
タイトルや表紙から察した方もいるでしょうが、主人公は顔が怖いけどピュアな不良、ヒロインは弱視であるけれど、自分の人生をさほど、悲観していない強い娘です
そんな二人が出逢い、次第に恋惹かれていく、そんなキュンキュンしかないラブコメです、この作品は
断言しちゃいますが、好い人しか出てきません
この世界は、まだ捨てた物じゃない、そんな、どこ目線だよ、と突っ込まれそうですが、そう思えるほどに心が浄化されます、この二人が織りなす、穢れの無い恋物語を読むと
次の「マンガ大賞」に、この『ヤンキー君と白杖ガール』がノミネートしても驚かない漫画読みがほとんどでしょう
むしろ、ノミネートしなかったら、ふざけんな、とキレちゃうでしょうね、私
重松成美先生の『ブレードガール 片脚のランナー』、鈴木望先生の『青に、触れる』も、身体障がい者の日常に焦点が当たっている作品で、心に刺さり、良い作品だ、と推薦できます
けれど、この『ヤンキー君と白杖ガール』は、ぶっちぎりです
この(1)は出たばっかりだってのに、もう、(2)が読みたくてしょうがないです
きっと、そんな気持ちでいるのは、私だけじゃないでしょう
けど、すぐに出ないのは百も承知なので、それまで、この(1)を何度も読み返そうと思っています
色々と得る事の多いストーリーであるのも、この作品が高い評価を正しく受けている理由でしょう
単に、健常者と障がい者のラブコメを描いているだけじゃ、ここまで人気が出ません
もしかしたら、うおやま先生に対し、何様だよ、お前、と罵倒の声を浴びせる者もいるかも知れません
障がい者の事を馬鹿にしているのか、自分達に優しくない世界で懸命に生きる彼らの人権を守りたがる団体から、そんなクレームも来る可能性もあります
でも、うおやま先生が、森生とユキコのような関係になれる男女が増えて欲しい、と願うのであれば、その手の中身がない、自己満足だけの罵詈雑言は気にせず、自分が信じる光、世界を少しでも変える為の努力を信じて、この最高の漫画を描き続けて欲しいです
何の力もない私に出来る事と言ったら、精々が、この『ヤンキー君と白杖ガール』(1)の感想を書く事くらいで、自分の力不足が歯痒くて仕方ありません
けど、何もしないよりはマシなので、拙くとも、精一杯を感想に詰め込まさせて貰いました
どうか、この(1)を読んだ人が、明日から、困っている誰かに、自分が出来る良い事を出来ますように
この台詞を引用に選んだのは、ユキコが良い子すぎる、と震えてしまったので
確かに、見た目は大事だ。自分に、良い印象を持って貰うために、外見を整える事は、社会で働く上では必須だ
しかし、外見に、誰でもない、自分が惑わされて、自分らしさが見えなくなってしまったら、本末転倒でしかないです
視るべき物をしっかりと視て、自分らしい見た目で、堂々と生きていきたいですね
「そういうわけだから、視覚優位で生きている者が、人の外見に振り回されてしまうのは、しかたがないことかもしれない。でも、黒川、自分まで、自分の見た目に振り回されるな!!顔にキズがあるからって、オマエはダメなんかじゃない!オマエのいいところは、私が、よく、知ってるし・・・・・・」(by赤座ユキコ)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コッミク(MF)
感想投稿日 : 2019年3月8日
読了日 : 2019年1月27日
本棚登録日 : 2019年1月23日

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