そうしそうあい 5 (ジーンピクシブシリーズ)

著者 :
  • KADOKAWA (2018年3月26日発売)
3.56
  • (4)
  • (4)
  • (9)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 257
感想 : 4
5

ついに、このアオハルラブコメも、(5)まで来たかぁ、と感慨深い気持ちに浸りながら書いているので、ちょい、脱線しまくるかも知れないけど、「またか」と温かい目で読んでくれたら、ありがたいっす
まず、表紙から、いきなり、読み手の胸を強く衝いてくる、この(5)は
教室の机で転寝している時に、恋人が傍にいて、静かに見守ってくれているって、後で知ったら、地味に嬉しく思う一方で、さっさと起きていれば、って悔しさも湧くんだろうな
上手く言えないんだけど、キャラもストーリーも突飛じゃないから、良さが心で抵抗なく、ストンッて受け止められる。今の高校生が、こういう風なのかなんて、ちっとも知らないけど、現実感があるよな、とオッサンに突入しそうな年齢の読み手に思わせるだけのストーリーには、りべるむ先生の人間味が、これでもかと投入されている
恋愛が作品のメインであるのは言うまでもないけど、教育問題や、教師は生徒にどう接すべきか、学校に通う意味、それが説かれている点にも好感が持てる
『三十路とレディ』を読んでいたから判りきっている事だけど、りべるむ先生の描くオトナ、先生ってのは、かっこいいっつーか、こうなりたい、と思えるだけの中身がある
もちろん、メインである恋愛話にも、りべるむ先生は一切、手を抜いたりしない。むしろ、更に力を入れてきてるぞ、と感じさせるほどだ
そうしとめぐみが、イチャイチャしているのは、いつも通りの事で、更に仲が睦まじくなっていても、何ら、嫉妬はせず、優しい気持ちにさせてくれる
どちらかと言えば、進展が気になるのは、橘とみきの方だ
腹黒ドS眼鏡である橘の、みきに対する愛情は相当に深い、それでいて、男子高校生らしい青さもある
本編のラストで、何やら、穏便じゃない事を言い放った女子がおり、これから、どうなってしまうのか、ドキドキで胸が一杯だ
個人的に推しなのは、第36話「スマホ没収」だ
高校が舞台になっている作品らしい内容のように感じた
先程も書いたけど、先生方のカッコ良さが光っている回だ
生徒にだって、各々の言い分がある。取るに足りない言い訳もあるけど、中には「正しい」言葉もある
教師ってのは、その「正しい」言葉を受け止めた上で、生徒に、何故、その行動が校則違反なのか、を説き、破った者はペナルティを負わねばならないってのを納得してもらう必要があるんだから、結構、キツいんだろう
大声で怒鳴らず、手も上げず、目線を合わせた状態で説得できてこそ、本物だ
この台詞を引用に選んだのは、そうじの成長を感じるものだったので
自分の欲を前面に出したいって気持ちがある上で、自分ではなく、恋人を第一に考えられる、それはカッコイイ男だ
早く、ドラマ化してほしいけど、ここまで成長するそうじを演じるとなると、相当にレベルの高さを俳優は求められるだろうなァ
この『そうしそうあい』は、学校の先生にも読んでほしい一冊だな

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(一迅社)
感想投稿日 : 2018年6月16日
読了日 : 2018年5月5日
本棚登録日 : 2018年3月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする