甘々と稲妻(8) (アフタヌーンKC)

著者 :
  • 講談社 (2017年1月6日発売)
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本棚登録 : 747
感想 : 21
5

小学生編、スタート!!末広がりの8巻から、新章が開幕するってのは、縁起の良さを感じるなァ。ま、偶然だろうけどッ
今更だけど、この『甘々と稲妻』が面白いのは、キャラが成長するからだろう。精神的な成長だけでなく、年齢を重ねているって意味だ。そう、『クッキングパパ』と同じだ。たまに、コンビニの単行本コーナーに置かれているコミックを読むと、まこと君やみゆきちゃんが就職や進学していて驚かされる
食べるとは、体と心を健やかにする。なので、つむぎちゃんが小学生になるって点は、ストーリーに漫画的な現実感を生んでおり、読みやすさだけでなく、読み応えも強めている
個人的に好感度で言えば、『紺田照の合法レシピ』や『頂き!成り上がり飯』、『最後のレストラン』が『甘々と稲妻』を上回っているが、癒し度で言えば、間違いなく、この作品の方が勝っている、断言したいがどうだろ?
さすがに、可愛い女子小学生と女子高校生がWヒロインを張ってる作品に、漢気溢れるヤクザ、オカン系ヤンキー、前向きなネガティブが主人公の作品は勝てまい
小学生になれば、環境も変わり、つむぎちゃんは色々と考える事、覚える事、知っていく事が増えるだろう。様々な経験を心の栄養にして、スクスク成長してほしいもんだなァ、お母さんがいない自分は周りに気を遣われるってコトに自分で気付いて、周りの善人に「可哀想」と言われないよう強くなって欲しいなぁ、とファンながらに思う
小鳥ちゃんも三年生になった事で、将来の事を今まで以上に真摯に悩むように。同じ道を歩んで来た大人のアドバイスを受けて、形にしたい夢のカタチをおぼろげながらも掴んだ彼女は、実現に向けて適した努力を始めていく。キラキラした青春を送る女子高校生、眩しいわぁ。ここも、『甘々と稲妻』の魅力
また、子供の一挙一動にハラハラしながらも、過度な手出しはせず、見守る態度に徹する大人たちも、これまた、カッコいい
あくまで、個人的な印象だけど、この(8)に限らず、どの巻でも、何気に八木さんってイイ働きをしてると思う。でしゃばりすぎず、それでいて、的を射る助言をしてくれる。次巻では、八木さんが良い目を見る回があったらいいな、と思う一方で、このポジションだからこその八木さんか、とも
どの回もほっこりさせて貰えるけど、個人的に推したいのは、「その36 サンドイッチとともだちできるかな?」だ、やっぱ。『神様ごはん』(佐保里)先生の引用でも挙げたけど、大人になると喧嘩の後、素直に仲直りってのは難しくなる。なので、こうやって、真正面から「ごめんなさい」をぶつけあって、許し合い、仲直りが出来る子供って凄ぇな、そう、子供でも大人でもない中途半端な年齢になると感じる
この台詞を引用に挙げたのは、先生としても大人としても男としても、公平さんのカッコ良さが光っていたので。やりたい、だけじゃ夢は叶えられない。やりたいなら、どうやったら出来るか、を考えなきゃ、実現には近づいていかない。口に出して自分を鼓舞するのも大事だけど、手と足を動かし、頑張らなきゃ意味がない。夢は逃げないけど、自分から追いかけようとしなきゃ、いつまでも夢のまま。叶えられない夢は、いつしか、自分を苦しめる呪いになっちゃう

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(講談社)
感想投稿日 : 2017年4月14日
読了日 : 2017年4月14日
本棚登録日 : 2017年1月6日

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