高台家の人々 3 (マーガレットコミックス)

著者 :
  • 集英社 (2015年1月23日発売)
4.24
  • (97)
  • (86)
  • (37)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 895
感想 : 57
5

性別関係なく、ホントに楽しめるラブコメ
大きな賞を貰えなくても、この作品の好さが翳る訳じゃ無いが、一ファンとしては、そろそろ、タイトルを取ってもいいんじゃない、と思ってしまう
この『高台家の人々』も3巻目で、私の拙いレビューに目を通してくれている人で内容を知ってない人はいないと思うが、一応、ざっくり説明を
容姿が並みでヒロインらしくない、妄想が趣味を通り越して呼吸同然の平野木絵と、凄まじいレベルのイケメンである高台光正の恋愛が主軸になる恋愛漫画なのだが、既存の作品と違うのは光正が「他人の心を読めてしまう」能力の保有者であり、彼だけでなく、祖母・妹・弟も同系統のチカラを持っている
彼らは自分の能力と折り合いをつけつつ、たまに振り回されたりしながらも、自分達の恋愛と真っ向から向き合っている
そんなファンタジー要素と、恋愛要素の絶妙なバランスが、この『高台家の人々』の他の作品にはない無二の強みだ
と言っても、この3巻の主役は、表紙を飾っている、高台家一族の中でも、心を読む力を持っていない一般人(?)の、光正さんの父・茂正Jr.(通称はマサオ)と母の由布子さんだが
前半は尋常じゃないくらいに我の強い由布子さんが、アンさんの誘導で嫁にする事を頑として認めていなかった木絵を教育し、一族に迎え入れる覚悟を決めるまでを描き、後半はマサオと由布子さんの恋の馴れ初めが描かれている
個人的には、後半の方が好きだ。ごくごく普通の恋愛事情も、読心能力者の視線から見て、ほんの少しお節介を焼かれるだけで、こうも面白い展開になるのか
素直すぎる男と、素直じゃない女の仲を取り持ち、間を狭める恋のキューピッドが常に可愛い、とは限らない。時には、欲望丸出しの小悪党がいたからこそ、愛が深まる
ある意味、この3巻で読み手に強烈な印象を与えたのは、ナイシアシストをしてくれる大垣弥生さんだろう。見習えない言動ばかりだが、厳しい世の中、彼女のような押しの強さと狡猾さは確かに必要だ。なのに、何故、弥生さんは望んだ結果を出せなかったか、欲を出し過ぎたのも大きいが、何より、心を読め、人の美醜を長年、目の当たりにして来たアンさんの方が何枚も上手だった、それだけだ
個人的にお勧めの話は、第17章。読心能力を持たず、一般人でも持っている空気を読むチカラをまるで発揮できてないマサオさんだが、違う味方をすると、彼が一番、腹の中が読めないな。由布子さんの旦那で、光正さん達の父親だけある。この人メインの話もいつか、読みたいもんだ・・・でも、人気が出なさそうだなぁ
この台詞を引用に選んだのは、この巻で最もハッピーなシーンだからだ。やっぱ、人間、素直になるべき時は素直になるべきなんだろうな

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(集英社)
感想投稿日 : 2015年5月27日
読了日 : 2015年5月5日
本棚登録日 : 2015年1月23日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする