血界戦線 Back 2 Back 3 ―深夜大戦―Dead of night warfare (ジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社 (2017年9月4日発売)
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本棚登録 : 791
感想 : 16
5

端的に言うなら、ブァッと来た。ここまで、大きな音で全身の毛穴がブチ開いたのは、久しぶりである
きっと、私だけじゃないだろう、この『血界戦線Back2Back—深夜大戦‐』を読んで、鳥肌が立っちまったファンは
言うまでもないが、この『血界戦線』は相当に面白く、世に星の数ほどある少年漫画の中でも、かなり上のステージに存在している。『ONE PIECE』や『双亡亭壊すべし』、『七つの大罪』と同格と言っても良い
その同じステージでも、座っている椅子の高さは異なっている
面白くなればなるほど、その椅子の高さを上げるのは至難の業になってくる
だが、時々、あるのだ、本来なら、5巻ほどかけ、ゆっくりと上げていくのが「普通」なのに、たった1巻でガッツーンと上がっちまう事が
改めて、内藤先生のモンスターっぷりに舌を巻かされた
ここまで、クオリティが高い作品を、もっと面白く出来ちゃうなんて、相当な実力と、桁違いの努力がなければ適うまい
やっぱり、最高レベルの少年漫画ってのは、主人公やその仲間だけでなく、対峙する悪役にもインパクトある存在感が求められるってことを学べた、この巻では
DIOにしろ、仮面ライダークロノスにしろ、時間の流れに関与する能力を有している悪役ってのは、過言でも何でもなく、最悪で最凶だ
だからこそ、それに対抗する善玉のカッコ良さが強烈に光る
善があってこその悪、悪があってこその善、切り離せず、かと言って、混ざり合う事もない、このバランスを取るのが、漫画家としての腕の見せ所か
新たに、クラウスらの前に立ちはだかる事になったキュリアス、フェムトにも劣らぬほど、戦闘力も性格もズバ抜けている
そんなキュリアスの、容赦ない力の前に、間違いなく、作中でも最強クラスである、次元怪盗・ヴェネーノが呆気なく殺された時は、妙な寂しさを覚えてしまった
フェムトとキュリアスの、周囲への迷惑ガン無視のバトルも凄まじかったけど、やっぱ、クラウスとの二戦目はグッと来た
しみじみと、クラウスさんのズレっぷりを肌に感じた。この躊躇いの無さは、実に脅威的で、ほんと、かっこいい
勝利っつーか、決着の付き方にも、内藤先生らしさが出ている。ファンなら、これに、消化不良感、もどかしさを覚えるのではなく、「よっしゃ」とガッツポーズを決めてしまうだろう
永遠の虚の真上に追いやられ、永劫に落ちていくキュリアスが、再び、クラウスらの前に戻ってくる瞬間が待ち遠しいやら、あってほしくないような
いやー、ほんと、次巻が楽しみだ。自分で、かなりハードルを上げちゃったけど、内藤先生なら、それに足を引っかけ、スッ転ぶなんて醜態は曝さず、難なくとまでは行かないにしろ、全力を出して跳び越えてくれるだろう、って期待を読み手に持たせてくれる
あと、本編にはさほど関係ないのだけど、私は結構、好きだ、ザップとチェインの組み合わせが、仲間的な意味でも、恋愛的な意味でも
この台詞を引用に選んだのは、キュリアスの怖さが如実に表現されているな、と感じたので。この回がアニメ化する日が楽しみだが、これほどの怒りを表現するとなると、相当な声優力が要求されるだろうなぁ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(集英社)
感想投稿日 : 2017年12月3日
読了日 : 2017年9月24日
本棚登録日 : 2017年9月4日

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