猫のお寺の知恩さん (5) (ビッグコミックス)

  • 小学館 (2017年10月30日発売)
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本棚登録 : 212
感想 : 8
5

ほんと、この漫画、ふっと肩の力が抜ける。それでいて、時たま、グッと力が入ってしまう、臍の下あたりに
食漫画と違い、恋愛系は、未だに、何があれば、良い作品だ、と言いきれないんだけど、読んでいて、温かい気持ちになるのは確かだ
ちょっとずつ、ちょっとずつ、心の距離が近づいていく
そのスローペースにイライラしなくなったのは、加齢により、私の受け入れる心にある程度の余裕が出来始めているからか
絵柄こそ野暮ったいかも知れないけど、優しいストーリーにマッチしている、と思う。絵と話が相乗効果を起こす、それは理想的な形だ
あと、いやらしい意味ではないのだが、オジロ先生は曲線が上手い。かなり、気合いを入れて、胸やお尻、頬のラインを引いているような気がする。フェチと言うべきかは微妙だが、作者の拘りを感じる
また、犬や猫たちにも、オジロ先生の熱を感じる
下手すりゃ、人間より魅力的に描こうとしてるんじゃ、と思うほどだ
羽海野先生の作品に出てくる動物も、読み手に癒しを与えてくれるが、オジロ先生も負けちゃいないなぁ
ストーリーも、恋愛色が強まってきて、源を応援したい気持ちも増してきている
知恩さんは、源の言動に、一人の男を意識する事が多くなっている。まだ、壁を作っている感じはあるけど、ほんの少し、その壁の外へ出てみたいって欲が出てきているようだ
源との年齢差を気にして、自分の気持ちと素直に向き合えてない臆病さも理解できる。でも、自分の「好き」に蓋をしていても、何ら良い事はないんだよな
この(5)から登場している、知恩さんの親友であるつらねさんも、良い味が出ているキャラ。彼女の周囲を掻き乱す性格が、今後、どんな影響をストーリー、人間関係に齎すのか、楽しみなような、おっかないような
どの回も良いが、個人的に推しなのは、第42話「猫と風鈴と知恩さん」だ。不謹慎と女性から言われそうだけど、艶っぽいよね、病気による熱で頬が上気してる美女って。まぁ、オススメする理由は源が、タイミング良く帰ってきたってのもある。良い男ってのは、惚れた女が弱っているのを見過ごさないもんだ。こういう虫の知らせってのは大事にしたいもんだな
この台詞を引用に選んだのは、源の男らしさにグッと来たので。やっぱ、この年齢の少年ってのは、ふとしたタイミングで化けるもんだなぁ。ただ、こんだけ大胆な行動に出られたのに、あとちょっとが踏み出せないトコも、彼らしい

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(小学館)
感想投稿日 : 2017年11月30日
読了日 : 2017年11月22日
本棚登録日 : 2017年10月30日

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