パパと親父のウチご飯 5 (BUNCH COMICS)

著者 :
  • 新潮社 (2016年9月9日発売)
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本棚登録 : 337
感想 : 10
5

まだまだ、この作品に対する好感度は上がり続けている
OLのリアルな食生活を描いているのが、『ごほうびごはん』(こもとも子)であるなら、この『パパと親父のウチご飯』はタイトル通り、父と子の心温まるリアルな食生活を表現している
男親だけでも、子供は立派に育てられる、そんな都合のいい甘ったれた応援なんて一欠けらもありはしない
この『パパと親父のウチご飯』では、父親しかいない、母親との触れ合いがない寂しさを子に強いてしまっている負い目があるからこそ、手探りの全力子育てにグッとくるのだ
設定が決して軽いモノではないので、時に、ストーリーにはドロッとしたモノは混じる
ただ、そのドロドロを丹念に取り除くからこそ出る、何とも言えない旨味があるのだ
私個人の感覚に過ぎないが、男親だけだから、子育てをしていて壁にぶつかってしまうわけじゃない
父と母が揃っていたって、壁は現れるもんだ
突破すべき問題は、親子で異なっているが、いずれにしても、誰かの助けを借りなきゃ、どうにもならない事だってある
それぞれに問題を抱えている親同士で手を貸し合い、助け合い、支え合うべきなんだろうな
懲りずに何度も言うが、やはり、この作品もBL感は濃いっちゃ濃い
腐男子も満足できる質の高さだ
今後の、千石と晴海さんのイチャつきに期待(笑)
どの回もハッと胸を衝かれる現実味があり、読みごたえがない、なんて言わさない
私個人の好みでお勧めすると、ストーリーでは、清一郎くんの成長に心が温まる第25話「手作りアイスクリーム」だ
大人だって難しいのだ、子供が自分のモヤモヤをコントロールできないからって怒っちゃいけない
だからこそ、親は苦しんでいる子供と目線をしっかり合わせて、話をちゃんと聞いてあげて欲しい
食事で選ぶのであれば、一も二もなく、第21話「和風ローストビーフ」だ
自分でローストビーフを作れる男は、間違いなくモテる!!
このローストビーフのように、やる気さえ出せば作れるメニューを紹介してくれるトコも、この漫画の魅力だろう
この台詞を引用に選んだのは、千石の男らしさと父性にグッと来たので。危うく、惚れそうになった。言動こそ粗暴ではあるけど、芯のある優しさを兼ね備えている。傷だらけの人生、でも、背中と生き様には一切の逃げ傷なしの彼が言うからこその説得力だ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(新潮社)
感想投稿日 : 2017年1月2日
読了日 : 2016年11月13日
本棚登録日 : 2016年9月9日

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