フラレガール 2 (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社 (2018年12月19日発売)
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感想 : 5
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堤先生、ほんと、容赦ない
急所を的確に貫いてくる鋭さと言うより、ガードごと構わずに、体重と捻りを乗せて、思いっきりぶん殴ってくる、重いパンチだ
外したら、自分がダメージを逆に喰らうんだろうが、そのリスクも構わずに、全力で読み手をぶん殴ってこられる、勇気を持ち合わせているな、この先生
やはり、斉藤けん先生や友藤結先生に劣らんハードパンチャーだったか
あくまで、私個人の印象だが、堤先生と、この『フラレガール』が持つ、最大の武器は、ヒロインの色気だ
色気ってのは、ただ、エロいだけじゃいけない
胸や尻を出せば、男はドキドキすると思ったら、大間違いである
男だからこそ、サービスシーンが多めの少女漫画に対しては、色気の出し方に対して厳しくなるのだ
この『フラレガール』は、艶の醸し方が実に良い
堤先生が、どうやったら、読み手に嫌悪感を抱かせず、ラブストーリーに妖艶な甘さをプラスできるか、をちゃんと考えて、ヒロイン・赤坂さんの乳や肢を書いているのが伝わってくる
また、ほんとに、少女漫画かな、と思うほど、コミカルの要素が強めなのも、魅力の一つと断言できる
男主人公が液状化する恋愛漫画、少なくとも、私は初読み
しかし、全く、理解不能って訳じゃないのがミソだ
どんな男だって、好きな人と密着できたら、興奮する
その興奮が突き抜けたら、液状化しても、何ら不思議じゃない
むしろ、液状化しないくらいじゃ、まだまだってことか
ほんと、質の良い少女漫画は勉強になって、ありがたいなぁ
この(2)で勉強させてもらった事は、もう一つある
それが、恋愛におけるライバルの存在は必須ってこと
ヒロイン・赤坂さんのキャラクターが強いってことで、青山くんを狙うYAYAさんが、猫被り系のハンターガールってのは、良い意味で定番を押さえているな、と感じた
もうちょい、争っても、それはそれで面白かったもしれないが、これくらい、すんなり片付いた方が、青山くんと赤坂さんの恋仲が深まって良かったのか
好きだからこそ、嫉妬もしちゃう
誰にも好きな人は渡したくないって、我儘は、程々なら恥ずかしい事じゃないと私は思うね
次巻への引っ張り方も、これまた、巧妙
こんな終わり方されたら、かなり気になっちまう
果たして、青山くんは愛の力で、自分の彼女を発見し、他の男から守る事が出来るんだろうか
けれど、何せ、発案者が豆子様だもんなぁ。一筋縄で行きそうもないと言うか、ルールの裏を読む必要がありそうな・・・
そんな文化祭も気になるが、個人的に(3)で読みたいなぁ、と思っているのは、ごっちの恋物語
ちょいちょい、親友を半分善意でからかっちゃいるが、良い奴なのは間違いない
これまた、私個人の印象だけど、プッツンしたらヤバそう
どんな女の子が合うだろうか、勝手に考えてもいいならば、世間知らずで無鉄砲なお嬢様か、可愛い物が大好きなガチめスケバンかな、と
この(2)で、特にギュンギュンと来たのは、第8話
ラブコメには、お見舞い回が必要。そのセオリーで魅せてくれた堤先生、あざっす
本当や本物、そんな言葉をくっつけると、途端に嘘臭くなるけど、仮に、真実の愛が存在するとしよう
もし、それに近づく行為があるとするなら、その一つには、大好きな人のゲロを受け止められる、があるのでは
結構、濃い目のキスをしたのに、彼女が風邪をひかないってのも、これまた、ラブコメのお約束だ
この台詞を引用に選んだのは、迫力敗けしてしまったので
人生の先達、特に負けと痛みを知っている人の言葉には、異様な重みが宿る
この先生にも、これから、幸せが来る事を、ただただ、心より願うしかない
「だから、若人よ・・・どんどん、恋しなさい。制服デートは、学生の時しかできない。大人になって、後悔しても遅いのよ!!」(byまだまだ諦めていない女性教師)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(白泉社)
感想投稿日 : 2019年4月11日
読了日 : 2019年4月11日
本棚登録日 : 2019年4月11日

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