夜明け前 第1部(下) (岩波文庫 緑 24-3)

著者 :
  • 岩波書店 (2003年7月17日発売)
3.63
  • (9)
  • (7)
  • (12)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 166
感想 : 14
2

本居宣長というと古事記の研究をした国学者ということくらいしか知らず、その主張や思想などは知らなかった。国学が尊王に結びついて倒幕に向かう、なるほど。
今年の目標の一つが住井すゑの『橋のない川』を読み切ることで、今途中なのだが、あちらを読んでいると国学に対してとてもモヤモヤしたものを感じる。「夜明け前」って、武家中心の世であった中世は夜であったという国学者の主張で、そういう意味の「夜明け」なの?それっていったい誰にとっての「夜明け」?などと少し斜めに考えてしまう。
半蔵はこれからどうするのだろうか。第一部の最後は「一切は神の心であろうござる」で終わっているけど、それでいいのか?『破戒』といい、なるようにしかならないのだと言われているようで読んでいて無力感を感じる。丑松も半蔵も周りの状況に従うだけ?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2017年5月29日
読了日 : 2017年5月29日
本棚登録日 : 2017年5月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする