ロバート・マンチの「Love you forever」は、アメリカで広く知られている作品だそうで、日本でも、1997年に発売されているそうですが、本書は、文章と絵を新たに書き直した、新装版といったところでしょうか。
少し調べてみたら、本書では、日本とアメリカの文化の違いを考慮した文章に変わっているそうで、元の絵本には、既に眠っているお子さんを抱き上げる表現があり、それに、あまりピンとこないものがあったのか、本書では、日本式の異なる表現に変わっていて、それが、より共感しやすいように思われました。
それから、物語の内容について、私にはシンプルに思われたのですが、実際に子育て中の方からしたら、とても大きな励みと感動を覚えるのは、分かるような気がします。
それは、今現在を生きることも大切だけれど、先の見えない親御さんの気持ちを察するに、本書では、ささやかな未来の幸せを見せてくれているからだと思います。
小さいときも大きくなってからも、心に抱くのは、同じ子守歌で、お子さんが大きくなってからの、
『こころで ゆらゆら だっこ ひとり しずかに おもいます』
には、お母さんだけでなく、お子さんの心にも響くものが、きっとあると思いますし、この場面の、「いせひでこ」さんの、かしの木の根元に、ひとり腰掛けるお母さんの切ない絵は、頑張っているお母さんに寄り添ってくれているようにも、感じられました。
そして、その子守歌の思いは、お子さんに引き継がれ、その思いの意味する深さを、真に実感したときの行動は、恩返しのようにも思われて、今度はお母さんがその愛情に包まれて、やがてはお子さんのお子さんへと、それが、ずっと受け継がれてゆく物語には、普遍性の素晴らしさを感じ、様々な意見があるのかもしれませんが、これで励みになる方がいらっしゃるのなら、それでいいのではないかと、私は思いました。
- 感想投稿日 : 2022年6月24日
- 読了日 : 2022年6月24日
- 本棚登録日 : 2022年6月24日
みんなの感想をみる