しろうさぎとりんごの木

著者 :
  • 文渓堂 (2013年10月10日発売)
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感想 : 61
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私がこれまで見た、酒井駒子さんのうさぎの絵は、「ぼく おかあさんのこと…」、「ゆきがやんだら」と、いずれも男の子でしたが、今度のしろうさぎは女の子で、これまたとても可愛いらしい絵ばかり。

初めてジャムつきのパンを食べたときの、おかあさんを見つめるしろうさぎ。

くろうさぎに話しかける、ベッドの中のしろうさぎ(隣のページのラフな単色画も可愛い)。

泣いた真相を打ち明けた後に、ほっとしたような表情のしろうさぎ。

等々、一見、絵にぼやけたような感じを出しながらも、その時その時の、目に表情が表れる感じといいましょうか、しろうさぎの無邪気でまっすぐな心情が分かるようで、微笑ましい気分にさせられます。

また、微笑ましいといえば、石井睦美さんの物語もそうで、幼いしろうさぎが、りんごという、ひとつの命の存在を知っていく過程を、子供特有の意外性のある、読めない行動の面白さも絡ませて、とても瑞々しく描かれており、また、その雰囲気を作り出しているのは、しろうさぎに必要なものを、全て揃えてくれている、両親の温かい愛情であることを実感させられ、子供を育てる為の環境作りの大切さを思い知りました。

それにしても、りんごのあかちゃんって、こんな形なのですね・・恥ずかしながら、この絵本で初めて知りました(酒井さんの絵がまた素晴らしい)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2022年7月5日
読了日 : 2022年7月5日
本棚登録日 : 2022年7月5日

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