習慣の力 The Power of Habit

  • 講談社 (2013年4月26日発売)
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「キー・ストーン・ハビット」という言葉が紹介されている。
これは「習慣(一連のお決まり動作)」を引き起こす最初の動作のこと。ボーリングのセンター・ピンのような存在と言える。次々倒れるピンがその後に続く動作だ。

このセンター・ピンを発見・特定して自分がこの「一連のお決まり動作」から何の報酬を得ているのかを言語化するのが「悪習慣」を遠ざける時に立ちはだかる最初の壁だ。これがなかなか難しいのである。

虫歯が社会問題になっていたにも関わらず、歯磨き習慣を国民に定着させることができなかったが、ハッカのスッキリ感という報酬が発見されると、普及が進んだ。同様に、ファブリーズも、悪臭の原因菌を除去するだけではヒットしなかったが、香り付けという報酬が発見されてから人気商品となった。このような成功事例が本書で紹介されているが、これらは答えを聞いてしまえば納得だが関係者らは何ヶ月も何年も悩み続けてたどり着くのである。紀元前から親しまれているアイスクリームが「コーン」に出会うのが1904年だったようにね。

このように困難は伴うだろうが、悪習慣を遠ざける具体的な手順は本書の巻末「付録」を参照してほしいが、ポイントは次の通り。

①ルーチン(止めたい悪習慣)を特定する
②報酬を変えてみる(報酬の魅力度下げる)
③キッカケを見つける
④計画(if-then planning)を立てる

ルーチンを特定した後に根気強くいろんな報酬に変えてみながら内省を繰り返して行動変容が起こるまで計画し直し続ける必要がある。これは本書の第一部で紹介されている人々のように、「心の底から今の悪習慣を遠ざけたい!」との想い、願い、誓いの真剣さ、深刻さがエネルギーの根源となるだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 0200経営
感想投稿日 : 2023年3月5日
読了日 : 2019年9月24日
本棚登録日 : 2019年4月1日

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