おれは一万石 (12)-慶事の魔 (双葉文庫)

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  • 双葉社 (2020年3月11日発売)
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慶事の魔 ー おれは一万石シリーズの12作目
2020.03発行。字の大きさは…小。

美濃今尾藩竹腰家の次男の正紀は、天明6年(1786年)下総高岡藩井上家1万石に婿入りし妻・京と一緒に世子として、藩主・井上正国と共に苦しい藩財政をやり繰りしていく物語です。

此度は、前作の「繰綿の幻」で繰綿の売買で不正を行い、罪を受けた蓬莱屋、郷倉屋の兄弟と大身旗本・石川総恒が組んで、仕返しに幕府に納めるべき極上の菜種油を使って高岡藩井上家の世子・正紀と北町奉行所与力・山野辺内蔵助を罠にはめようとした。

井上家では、正紀の妻・京が孝姫を産み。与力・山野辺家では、内蔵助が綾芽との祝言が決まりと祝い事が重なり。この祝いごとを利用して、郷倉屋からの祝いの品として高価な菜種油、下り酒を両家が不注意で受け取ったことで疑惑(便宜を図った)を深めました。

【読後】
まさに慶事を利用して、陥れようとの謀に落とされようとしたのです。
前作「繰綿の幻」を活用して、今作をうまく書いたと思いましす。

【豆知識】
「井上正紀」の略歴 
明和7年(1770年)、尾張徳川家の附家老家である美濃国今尾藩主・竹腰勝紀の次男として生まれる。竹腰勝紀と高岡藩6代藩主・井上正国は共に尾張徳川家8代目藩主宗勝の実子であり、正国と正紀とは血縁上は叔父と甥の関係である。天明6年(1786年)8月9日、正国の養子となり、その娘を娶った。12月18日に従五位下、壱岐守に叙位・任官する。寛政3年(1791年)3月7日、正国の隠居により家督を継いだ。
文化3年(1806年)10月13日、死去。享年37。跡を三男の正瀧が継いだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2020年6月13日
読了日 : 2020年6月13日
本棚登録日 : 2020年5月31日

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