長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子がかつぐ女御輿!
こんなのあったら乗るでしょう!
そりゃあ、男の夢でしょう!!
夢から覚めても二度寝でしょう!!!
うきうきしてDVDをセットしたら御輿ごと谷底に突き落とされました。
痛いほど、そしてイタいほど不純な純愛映画。
いい人の役よりも悪いオヤジのほうが何倍も活き活きしているリリー・フランキーさんの修羅場から開幕。
まあ前半は長澤まさみの殺人的なかわいさを愛でる映画ですよ。
正直、長澤まさみって、世間で言われているほどには興味なかったんです。
いやあ、すいませんでした。やられました。
シュシュッと手裏剣、ハートに刺さりました。
そして「あれ、Perfumeって四人だったっけ? てか、森山未來ってメンバーだったっけ?」っていうくらいキレッキレの、彼のダンスを楽しむ映画でもあります。
先の『Baby cruising Love』によるフラッシュモブや、抜群のタイミングで挿入されるカラオケビデオ風の大江千里『格好悪いふられ方』を始め、iPhone、YouTube、店内BGM、野外フェス、ライブ等さまざまなシーンや小道具を駆使した音楽の使い方が秀逸。
エンタテインメント性を追求した大根仁監督の演出が冴えわたり、音楽映画としてもとても楽しい。
また随所に一瞬のカメオ出演や小ネタも仕込まれており、気付いた人すら得をしない贅沢な作りとなっております。
個人的には居酒屋の店員と、一瞬で消える杉作J太郎(と吉田豪)、そして「兵藤ゆきがカイジにしかみえねぇ」のツイートがツボでした。
後半はうってかわって麻生久美子扮する「るみ子」の切なさに涙する映画。
前半からの積み上げも相まって、長澤まさみ扮する「みゆき」との対比がくっきりと浮き上がってきます。
極めつけはガード下から泣きすがるシーン。
ゾンビ映画かと見紛うばかりの緊迫感で、やっぱりすこし「重い」と思っちゃいましたが、絶妙のタイミングではいる星野源ちゃんの歌声に救われました。
ラストは最高潮に盛り上がった恋愛映画のハッピーエンド風だけど、あの二人はあそこがピークで長くは続かないでしょう。
本当は趣味なんてあわなくても「るみ子」みたいな人と、ゆっくり時間をかけて距離を縮めていくのが最高なのでは。なーんて。
単に好みの問題でしょうか。
終始、男目線で観ることもできますが、森山未來扮する藤本幸世を軸とした二人の女性の恋愛映画としても観ることができそうです。
そして再度言いますが極上の音楽映画。良質のエンタテインメント。
終盤、TOKYO No.1 SOUL SETの『ヤード』が流れ、ビッケがステージに登場。
『今夜はブギーバック(smooth rap)』スチャダラパー feat. 藤本幸世(森山未來)のライブで締めるエンディングには、世代的に大興奮ですよ。
あと初めて聴いたけど、女王蜂の『デスコ』のライブが格好良過ぎて、これは収穫でした。
- 感想投稿日 : 2013年4月13日
- 読了日 : 2013年4月8日
- 本棚登録日 : 2013年4月8日
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