天帝のつかわせる御矢 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社 (2007年6月8日発売)
3.64
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本棚登録 : 206
感想 : 32

切間は出て来ないけど、金之助が出てきたので、私は元気です。

(^ω^)おっおっ

というのはおいておいて。
『果実』を読んでから半年強、ようやく続編に取り掛かることができました。
いきなりの序盤の展開に面食らいながらも読み進める。相変わらずのまほろの文体。果実でそこまで明らかにされていなかった(と思う)作品の現在の背景。そして現れる絢爛豪華(ルビ:ゴージャス)な『あじあ』、旧友(ルビ:とも)との再会、登場する一癖も二癖もある登場人物、『使者』(ルビ:めさじぇ)とのスパイ染みたやり取り……。そうそう、探偵小説(ルビ:ミステリ)たるものこうでなくっちゃ。このケレン味、この前時代的(ルビ:モダン)な道具立て、設えられた絶好の舞台、まほろの存在理由(ルビ:レゾン・デートル)…

いつまで経っても事件が起きねえ!
どうなってんだよ!
しかし急にとある人物にビンビン死亡フラグが立ち始める。

そして事件が起きてからは急展開。というか急にガッツリミステリになって、作中での謎がかなり分かりやすく纏められて(いやに親切)、さて、事件を解いてみなさい、とな。さっぱり分かりません!
ここで既に峠を越す。これは…謎がこれだけで終わるのかしらんと思っていると、まあ当然事件は続くわけです。
そして突入する推理合戦。
それぞれの見解とその矛盾がぶつかって、徐々に止揚(ルビ:アウフヘーベン)されていく推理…。
そして真実が明らかに!
おお!なんとしっかりしたミステリなんだろう!そう、これ、これだよ!面白い!
ちくしょう!あっちには気づいたのに!ミスリードだったか!
全く、まほろにしてやられたぜ!
あれ?でもなんかページ数がやたら残っているな…。

と思っていたら最後に怒涛の超展開。
余りの展開のはやさに物語から振り落とされる。
そうだ…そういえばこんな話だった…。これがまほろや…。
読後に残ったのは謎の徒労感…。これは一体何だったんだろう…。

総合すると、面白かったのか面白くなかったのかよくわかりません。
いや、面白かったんだと思います。最後以外は。
とりあえず続きを読もうと思います。
どうなる、まほろ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年1月6日
読了日 : 2013年1月5日
本棚登録日 : 2013年1月5日

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