田中氏の作品に特徴的な作中人物に物語を語らせる入れ子構造、親子(=血縁)関係、そしていくつかの作品でもテーマになっている戦争。
それらが極めて乾燥的な文体で、しかししっかりとしたリアリティでもって語られている。細部にも目が行き届いて、作者の力量が上がっていることが強く感じられた。
が、しかし、結局のところこの作品の伝えたかったところは一体なんだったのだろう?
最近自分の文学偏差値が著しく低下しているので、メッセージを自分が受け止めることができなかっただけかもしれない。
しかし、何気ない一言が一人の人生を永遠に縛り続けるということがある、ということが、強く胸をうった。
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- 感想投稿日 : 2014年8月7日
- 読了日 : 2014年7月29日
- 本棚登録日 : 2014年7月29日
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