生き埋め事件を解決したはずの奈津川ファミリーが新たなる事件の渦中に立たされ、前作では地味な存在だった三郎が自身の愛と存在意義に直面するバイオレンスラブロマンス猟奇ミステリー、とまぁぐちゃぐちゃなストーリー。
少々グロテスクな描写が多いけど、読み通してみると恐ろしいくらいに透明で愛に満ちた話なんだなぁ、これが。中身も生き埋め事件の続編と思いきや、変な事件が続いたり、やっぱり二郎をひきずったり、ユリオを愛したり、グチャグチャだけど、人間と自分と愛と向き合うひたむきで卑しくも美しいなんかそんな感じがする。
珍しく読み終えた後、何度も読み返した。
冒頭で三郎が荒木に言った「ある特定の物事は、際限なくどんどん悪くなるものだ」と最後のページで三郎が語った「そして俺は生の側にいて、生をはっきりつかまえてどんどん良くなるのだ」という対比がとてもはかない。色々なことが混沌としたケイオスのままで終わったのだけど続編は必要ない。よく分からないものは分かる必要も無く飲み込むのである。
パタン。
(けど二郎視点の物語も読みたいのだ)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2009年10月17日
- 読了日 : 2009年10月17日
- 本棚登録日 : 2009年10月17日
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