あなたと、どこかへ。 (文春文庫 編 2-36)

  • 文藝春秋 (2008年5月9日発売)
3.18
  • (11)
  • (30)
  • (90)
  • (17)
  • (4)
本棚登録 : 470
感想 : 60
3

<クルマで出かける場面を用意すること>だけを約束事とされた8人の作家さんによる短編集。
大好きな、吉田修一さんの作品が収められているので
手にとってみました。

吉田修一さんの「乙女座の夫、蠍座の妻」は非常に自然で優しい、夫婦を描いたお話。心が和みます。

角田光代さんの作品は、角田さんらしさが短編ながらも感じられます。小さな光が心に灯ります。

石田衣良さん。
食わず嫌いで読んだ事がないのですが、こういう文体なのですね。思ったより、嫌いじゃないかも。

甘糟りり子さん。
時間を経て、大人になるということの良い面を描いたお話。

林望さん。
こういう小さな内緒事、きっと誰にでもあります。ちょっと物足りないくらいが、ちょうどいい。

谷村志穂さん。
男性の描き方が好きでした。最低限の描写で、魅力を最大限に感じられます。

片岡義男さん。
ちょっとロマンチストすぎるかな、と思いますがこうあって欲しいと思う気持ちがあるのも否めないので、フィクションとしては良い作品だと思います。

川上弘美さん。
泣きそうになりました。この短さで、よくここまで描ききったと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年9月30日
読了日 : 2022年9月30日
本棚登録日 : 2022年9月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする